妊娠を考えたら知っておきたい葉酸のこと

「妊娠を考えたら、葉酸を飲んだ方がいい」

一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

ですが、

「そもそも葉酸って何?」

「いつから飲み始める?」

「食事から摂るだけじゃ足りないの?」

と、分からないこともたくさんあると思います。

とりあえずサプリメントを飲んでいるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

葉酸は、妊娠を考えている女性にとって大切な栄養素のひとつです。

特に妊娠初期の胎児の成長に関わってくるため、妊娠に気づいてからではなく、妊娠を考え始めた頃から意識しておくことがすすめられています。

 

今回は、葉酸にはどのような働きがあるのか、いつからどのくらい摂ればよいのか、食事やサプリメントからの摂り方についてご紹介します。

 


 

目次

❚葉酸について知ろう

▸葉酸ってどんな栄養素?

▸なぜ妊娠前から葉酸が必要なの?

▸食事だけで十分に摂れる?

❚妊娠を考えたら知っておきたい葉酸の摂り方

▸いつから摂り始めればいい?

▸1日にどのくらい必要?

▸食事から摂る葉酸

▸サプリメントを選ぶときのポイント

▸飲み忘れたときは?

❚まとめ

 


葉酸について知ろう


 

葉酸ってどんな栄養素?

葉酸は、ビタミンB群の一種です。

ほうれん草やブロッコリーなどの野菜のほか、納豆やレバーなどにも含まれています。

 

葉酸は、私たちの体の中で細胞がつくられるときにも関わっている栄養素です。

特に、妊娠初期の胎児の成長にとって大切な役割をしています。

 

なぜ妊娠前から葉酸が必要なの?

妊娠前から十分な葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減できることがわかっています。

神経管閉鎖障害とは、赤ちゃんの脳や脊髄のもととなる「神経管」が正常につくられないことで起こる病気です。

代表的なものには、二分脊椎や脳瘤、無脳症などがあります。

 

神経管がつくられるのは、妊娠のごく早い時期です。

妊娠週数でいうと妊娠6週ごろに神経管の閉鎖が完成するため、妊娠に気づいてから葉酸を摂り始めても、予防という点では間に合わない可能性があります。

 

そのため、「妊娠したと分かってから葉酸を飲み始める」のではなく、「妊娠を考え始めた時期から葉酸を意識して摂る」ことが大切です。

 


妊娠を考えたら知っておきたい葉酸の摂り方


 

いつから摂り始めればいい?

葉酸は、妊娠してから摂り始めるのではなく、妊娠を考え始めた時期から意識することが大切です。

 

厚生労働省では、妊娠を計画している女性に対して、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、普段の食事に加えて、サプリメントなどから葉酸を摂取することをすすめています。

 

1日にどのくらい必要?

葉酸は、妊娠を計画している時期だけでなく、妊娠中や授乳中にも必要な栄養素です。

葉酸の必要量は、妊娠前から妊娠中、授乳中まで同じではありません。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人女性の食事からの葉酸の推奨量は1日240μgとされています。

 

妊娠初期の付加量は+0μgですが、妊娠中期・後期には+240μgとなり、推奨量は1日480μgです。

授乳中は母乳を作るために葉酸が必要であるため、+100μgで、1日340μgが推奨されています。

 

さらに、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性については、神経管閉鎖障害のリスクを低減するため、普段の食事に加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂取することがすすめられています。

 

注意していただきたいのは、240μg+400μgを食事から摂らなければならないということではないということです。

普段の食事からバランスよく葉酸を摂ることを基本としたうえで、妊娠を計画している時期には、食事に加えてサプリメントなどから必要な量を補うことがすすめられています。

 

食事から摂る葉酸

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜のほか、納豆などにも含まれています。

葉酸を含む食品だけをたくさん食べるのではなく、さまざまな食品を組み合わせ、バランスのよい食事を心がけましょう。

また、葉酸は水に溶けやすく、調理方法によって失われることもあります。

 

食事から葉酸を摂ることも大切にしながら、妊娠を計画している場合は、必要に応じてサプリメントも取り入れていきましょう。

 

サプリメントを選ぶときのポイント

葉酸サプリメントは、ドラッグストアやインターネットなどでさまざまな種類が販売されています。

 

商品によって葉酸の含有量や、その他に含まれている栄養素も異なるため、サプリメントを選ぶときは、まず葉酸の種類と1日に摂取できる量を確認してみましょう。

 

食品に含まれる葉酸は、ポリグルタミン酸型葉酸と呼ばれています。

一方、サプリメントなどに含まれる葉酸には、モノグルタミン酸型葉酸(合成葉酸)が使用されているものがあります。

サプリメントに含まれるモノグルタミン酸型葉酸は、食品に含まれる葉酸と比べて体内で利用されやすい特徴があります。

 

そのため、サプリメントを選ぶ際は、葉酸が入っているという表示だけを見るのではなく、どのくらいの葉酸が含まれているのかを確認されてみてください。

 

複数のサプリメントを併用すると、知らないうちに葉酸やその他の栄養素を摂りすぎてしまうこともあります。

妊娠中にサプリメントを継続する場合は、製品の用法・用量を守り、ほかのサプリメントとの重複にも注意しましょう。

持病がある方や薬を服用している方、サプリメントの継続について不安がある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

 

飲み忘れたときは?

サプリメントをうっかり飲み忘れてしまうこともあるかもしれません。

ですが、1日飲み忘れたからといって、翌日に2日分をまとめて飲む必要はありません。

思い出したときや翌日から、サプリメントに記載されている用法・用量に沿って、通常どおり再開しましょう。

 

できるだけ毎日続けられるよう、自分の生活に合ったタイミングで飲む習慣をつけてみてください。

 

 


まとめ


 

葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの成長に関わる大切な栄養素です。

妊娠に気づいてからではなく、妊娠を考え始めた時期から意識して摂ることが大切です。

 

葉酸を摂る方法やサプリメントの選び方についても、今回の記事を通して少しでも理解していただけたら嬉しいです。

 

毎日の食事からもさまざまな栄養素をバランスよく摂り、睡眠や運動などの生活習慣も整えていくことが、これからの自分自身の健康につながります。

普段の食生活や生活習慣を少し見直してみるのもいいかもしれません。

 

無理なくできることから始めながら、これからの自分の体と向き合っていきましょう。

 

 

キーワード:葉酸|妊活|妊娠前|食事|サプリメント


 

参考文献

1)日本看護協会出版会:助産師基礎教育テキスト ウィメンズヘルスケア

2)日本産科婦人科学会・日本産科婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン産科編2020

3)医学書院:系統看護学講座専門分野Ⅱ 母性看護学2

4)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf