健康診断の結果、どう活かしていますか? 「受けて終わり」にしないための結果の活用と職場の取り組み

毎年受けている健康診断の結果は活用できていますか?
健康診断は、自覚症状が出る前に今のご自身の身体の様子を知る貴重な機会です。
一方で、結果を十分に活かせていない方や、事後の対応まで手が回っていない職場も少なくありません。
今回は、健診結果の見方と活用方法、健診後の職場のフォローとして押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
❚ まとめ
「要再検査」「要精密検査」を放置しない

定期健康診断では、受診者のおよそ6割に何らかの所見があるとされています。
判定区分の表記は、「要経過観察」「要再検査」「要精密検査」「要治療」で、総合判定の結果が出ます。
(健診機関によって異なる場合があります。)

「要再検査」は一時的な変動か持続的な異常かを確かめるための検査、「要精密検査」は異常の原因を詳しく調べるための検査となります。
どちらも念のためではなく、ご自身の身体の変化を知るために必要な検査です。
健診でわかる生活習慣病の多くは、初期段階での自覚症状がほとんどありません。
「自分は大丈夫」と軽視せず、健診で見つかった時点で検査していただくことがとても重要です。
健診でわかる主な生活習慣病
健康診断では、日頃の生活習慣が影響する病気のサインを見つけることができます。
代表的なものは以下になります。
- 高血圧
血管に負担がかかり続ける状態です。
自覚症状がないまま進み、脳卒中や心臓病などの発症リスクを高めます。
- 糖尿病
血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が多くなりすぎる病気です。
初期はほとんど症状がありませんが、進行すると全身に症状が出て、脳や心臓の重篤な疾患にもなりやすくなります。
- 脂質異常症
血液の中の脂質のバランスが崩れた状態です。
血管の壁にたまりやすい悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が多すぎたり、余分なコレステロールを回収してくれる善玉(HDL)コレステロールが少なすぎたりすると、血管が硬く狭くなる「動脈硬化」が進みやすくなります。
- 脂肪肝
肝臓に脂肪がたまった状態です。
お酒の飲みすぎや肥満が主な原因で、放っておくと肝臓の炎症(肝炎)や、肝臓が硬くなる「肝硬変」につながることがあります。
- メタボリックシンドローム
内臓肥満に、血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態です。
心臓病や脳卒中のリスクが高まります。腹囲が大きいだけでは当てはまりません。
これらの病気に共通するのは、気づかないうちに進行してしまうことです。
健診結果をしっかりと活用し、症状が出る前に体の変化を知っておきましょう。
1年分ではなく、経年変化で見る
健診結果は、その年の数値だけでなく、過去数年分と比べて見ていただくことがお勧めです。
「基準値内だが、3年連続で血糖値が上がっている」「体重が毎年2kgずつ増えている」といった変化は、1年分だけでは気づきにくいものです。
基準値内に収まっている今こそ、生活習慣を見直す絶好のタイミングです。
健診結果は、ファイルにまとめて保管し、見返せるようにしておくと良いでしょう。
職場でできる受診勧奨の工夫
再検査の受診率を上げるには、本人任せにせず、組織としての仕組みづくりも効果的です。
- 対象者に期限を示して個別に案内する
- 就業時間内の受診を認める、費用補助を設けるなど、受診のハードルを下げる
- 産業医や保健師による面談の機会をつくる
- 受診状況を把握し、未受診者に再度声をかける
などが考えられます。
なお、健康診断の結果は「要配慮個人情報」にあたります。
取り扱う担当者を限定し、管理体制を整えておくことも大切です。
まとめ
健康診断は、ただ受けるだけではなく、今の自分自身の身体の状態を知り、結果を活かすことが大切です。
ご自身の生活習慣について見つめ直す機会にしてみましょう。
要再検査・要精密検査の通知を受けた方は早めに受診し、数値の経年変化にも目を向けてみてください。
一人ひとりの健康は、組織の力そのものです。健診結果をもう一度開いて、確認してみてください。
キーワード:健康診断|健診結果|生活習慣病|検査|受診
参考文献
1)厚生労働省:令和6年定期健康診断実施結果(年次別 )
2)厚生労働省:主な生活習慣病
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic-summaries/m-05
3)日本高血圧学会:高血圧の10 のファクト~国民の皆さんへ~
https://www.jpnsh.jp/10_facts.html
4)厚生労働省:メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-01-001