「どのくらい運動してもいいの?」 妊娠中の運動について

お腹の中の新しい命を守りながら過ごす毎日は、喜びとともに戸惑いも多いかもしれません。
特に運動については、妊娠中も動いた方がいいと聞く一方で、具体的に何をしたらいいのか迷うこともあるでしょう。
今回は、日本や米国の産婦人科学会が推奨する最新のガイドラインをもとに、助産師の視点から「妊娠中の運動の目安」を具体的にご紹介します。
目次
❚まとめ
そもそも、なぜ妊娠中に運動が良いとされているのか
妊娠中の運動は、体力をつけるためだけではなく、健康的に過ごすための多くのメリットがあると言われています。

ただし、運動開始前には必ず主治医への確認が必要です。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、切迫流早産や前置胎盤などの合併症がないことを前提としています。
妊娠経過によっては、担当医から安静にするように説明がある場合もありますので、次回の妊婦健診などで運動の可否を確認しておくと良いでしょう。
「週に150分」を目標に運動
では、実際妊娠中にどのくらい運動すると、健康的な運動量になるのか気になりますよね。
その具体的な数値は、週に合計150分の中強度の有酸素運動とされています。
これは、1日30分程度のウォーキングを週5回、あるいは、15分の散歩を1日2回を毎日続けるイメージです。
◆「中程度の強度」ってどのくらい?
「中程度の強度」とは、心拍数が上がり、汗をかき始める程度の運動を指します。
普通に会話ができる程度を目安に強度を調整しましょう。
◆おすすめの運動
・ウォーキング
・マタニティヨガ
・マタニティスイミング
・ピラティス
などが挙げられます。
転倒の恐れがあるスポーツや、お腹を圧迫する動き、仰向けで長時間過ごす動作は避けましょう。
最近では、YouTubeなどで「マタニティヨガ」などと検索すると、たくさんのチャンネルがあります。
どのチャンネルか迷ったら、
・強度低めのリラックスヨガから、まずは始めてみる
・腰痛が気になるから、腰痛改善マタニティヨガを選択してみる
・一人ではなく、仲間と運動した方がモチベーションが上がるからマタニティスイミング教室に行ってみる
など、ご自身の状況に応じて選択してみることも良いですね。
マタニティヨガ教室やマタニティスイミングクラスなどの参加の際には、医師からの診断書が必要な場合がありますので、事前に教室側と産院側に確認するようにしましょう。
運動中に気をつけるべき身体からのサイン
運動は、身体を心地よく・健康的に維持するための大切なアクションです。
無理な動きや、自分の体調に反して過度な運動量を行ってしまうと心身ともにストレスを与えてしまいます。
もし、運動中に以下のような症状が見られたら、すぐに運動を中止して身体を休めることを優先してください。
・お腹の張る回数が増えてきた
・めまいや立ちくらみを感じるなど
他にも気になる症状が見られた際は、無理せずに身体からの反応を受け止めて休むことを大切にしましょう。
これらの症状が、休憩したとしても続いている又は悪化しているなど気になるようであれば、迷わずかかりつけの産院に連絡して必要であれば受診を検討することも大切です。
もしもの時の連絡のためにも、産院の連絡先を電話帳に事前に登録しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
妊娠中の運動は、妊婦である自分自身とお腹にいる赤ちゃんの健康にもつながることが分かりましたね。
ただ、急に強度高めの運動から始めてしまうと、身体も驚いてしまって負荷がかかりやすくなります。
まずは、お買い物帰りに少し遠回りをしてみる、好きな音楽を一曲聴きながらストレッチをしてみる…など小さな一歩からで十分です。
2、3日だけの運動ではなく、毎日少しだけでも「継続」して続けることが力になります。
ぜひ、身体を動かすことの「心地よさ」を感じながらこれからの妊娠生活も過ごされてくださいね。
キーワード:妊娠中|マタニティ|運動|ヨガ|ウォーキング
参考文献
1)日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 13 Suppl., 2005.:妊婦スポーツの安全管理基準
https://www.rinspo.jp/files/proposal_11-1.pdf
2)日本産婦人科学会
3)米国産婦人科学会