妊娠を考える前に知っておきたいプレコンセプションケア

 

結婚や転職、キャリアについて考えるなど、人生の節目を迎える中で、「妊娠」「出産」について考える機会もあるのではないでしょうか。

 

いつ結婚しようか、転職するならいつがいいだろう、これからのキャリアをどうしていこう…

働く女性にとって、妊娠や出産は、人生や仕事について考えることと切り離せないテーマのひとつです。

 

妊娠してから、あるいは出産を目の前にしてから考えるのではなく、妊娠を考える前からできる準備や心がけがあります。

 

「いつかは子どもが欲しいけれど、今はまだ考えていない」という方もいるかもしれません。

今のうちに自分の体や健康について知っておくことで、いざ妊娠や出産について考え始めたときに、落ち着いて準備できることがあります。

 

また、プレコンセプションケアは女性だけのものではありません。

男性にも知っていただくことで、二人でこれからの家族や人生について考えるきっかけになれば幸いです。

 


 

目次

プレコンセプションケアについて知ろう

プレコンセプションケアってなに?

妊娠する前から健康を考えることが大切なのはなぜ?

妊娠を考えていなくても必要?

今日からできるプレコンセプションケア

まとめ

 


プレコンセプションケアについて知ろう


 

プレコンセプションケアってなに?

プレコンセプションケアとは、妊娠を考える前から、自分の体や健康について考え、より健康的な生活を送るための取り組みです。

「妊娠するための準備」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、プレコンセプションケアは、近い将来に妊娠を希望している人だけのものではありません。

 

 

妊娠する前から健康を考えることが大切なのはなぜ?

妊娠や出産を考え始めてから生活習慣を見直すのではなく、日頃から自分の健康状態を知っておくことが大切です。

食事や睡眠、運動などの生活習慣は、毎日の健康だけでなく、将来の妊娠・出産にも関わります。

 

また、妊娠を希望してからすぐに生活習慣を変えようと思っても、長年続けてきた習慣を短期間で変えることは簡単ではありません。

 

だからこそ、妊娠を考える前から、自分の体や生活について少しずつ見直しておくことがプレコンセプションケアにつながります。

 

 

妊娠を考えていなくても必要?

プレコンセプションケアは、「いつか子どもが欲しい」と思っている人だけのものではありません。

今は妊娠や出産を考えていなくても、自分の健康について知り、生活習慣を整えることは、これからの人生を健康に過ごすことにつながります。

 

また、プレコンセプションケアは女性だけのものでもありません。

男性も自分自身の健康について考えることで、将来の妊娠や家族について考えるきっかけになります。

 

プレコンセプションケアの目的は、今の健康を大切にすること、将来の健康につなげること、そして将来の妊娠・出産や次の世代の健康につなげることです。

「まだ妊娠する予定はないから関係ない」と考えるのではなく、今の自分の体や生活について知ることから始めてみましょう。

 

 


今日からできるプレコンセプションケア


 

①自分の体や月経について知る

まずは、自分自身の体や月経について知ることから始めてみましょう。

月経周期や月経痛、経血量などを記録しておくと、「いつもと違う」という変化にも気づきやすくなります。

 

また、月経痛が強い、月経不順がある、月経量が多いなど、気になる症状がある場合には、「体質だから」と我慢せず、婦人科へ相談することも大切です。

妊娠を考えてからではなく、今のうちから自分の体の状態を知っておくことで、必要なケアや治療について考えるきっかけにもなります。

 

 

②バランスのよい食事を心がける

若い女性では、たんぱく質やカルシウム、食物繊維などが不足し、低栄養となることもあります。

1日3食を基本に、主食・主菜・副菜を組み合わせ、できるだけ栄養バランスの整った食事を心がけましょう。

 

また、妊娠を考えている女性にとって、「葉酸」も大切な栄養素です。

葉酸は、妊娠初期の赤ちゃんの成長に必要なビタミンで、ブロッコリーほうれん草納豆などに含まれています。

妊娠に気づく前から必要となるため、妊娠を考え始めたら、普段の食事から葉酸を意識して摂ることを心がけましょう。

 

 

③適度に体を動かし、適正体重を保つ

運動不足になっている方は、まずは今より少し体を動かすことから始めてみましょう。

運動不足だと感じている場合、一駅分歩いてみる、階段で移動するなど、生活に取り入れやすいものから実践し、少しでも運動量を増やしてみましょう。

 

18〜49歳の女性の適正体重の範囲は、BMI値で「18.5〜24.9」です。

やせ(18.5未満)は「低出生体重児などの要因」になり、肥満は「妊娠糖尿病」や「妊娠高血圧症候群」などにつながります。

適正範囲に収まるよう、妊娠する前の今の時期から体重をコントロールすることが大切です。

 

 

④睡眠や休養を大切にする

睡眠不足や過度なストレスは、心身の健康に影響します。

「忙しくて休む時間がない」という方も、睡眠時間を確保することや、自分なりのリフレッシュ方法を見つけることを意識してみましょう。

 

妊娠や出産を考えるときだけでなく、今の自分が健康に生活するためにも休養は大切です。

 

 

⑤喫煙や飲酒について見直す

喫煙は流産や早産、低出生体重児などのリスクを高めます。

今、喫煙している女性は妊娠する前に、完全に禁煙しましょう

自分の意思で禁煙が難しい場合は、禁煙外来への相談も検討してみましょう。

 

妊娠を考えている女性だけでなく、パートナーも受動喫煙について知り、禁煙を考えることが大切です。

 

また、妊娠中の飲酒についても、胎児の発育などに影響を及ぼす可能性があります。

妊娠に気づく前の時期もあるため、妊娠を考えている場合は、飲酒についても見直しておきましょう。

 

 

⑥予防接種や健康診断を確認する

自分の予防接種歴について確認したことはありますか?

 

例えば、妊娠初期の妊婦さんが特に気をつけたい「風疹」について。

妊娠中に感染すると、「先天性風疹症候群」といって、赤ちゃんに影響がある場合があります。

 

予防接種を受けていても、時間の経過などによって十分な抗体がない場合があります。

妊娠してから打てばいいと思った方もいるかもしれませんが、風疹ワクチンは生ワクチンであるため、妊娠中には打つことができません

そのため、早めの確認が必要となります。

 

例で風疹を挙げましたが、風疹に限らず、予防接種歴を確認するとともに、必要に応じて抗体検査について医療機関に相談してみましょう。

また、健康診断を受ける機会があれば、血液検査や婦人科検診などを通して、自分の健康状態を確認しておくことも大切です。

 

 

⑦持病や服用している薬について確認する

妊娠とは関係ないと思っている持病や、普段から服用している薬でも、妊娠中には注意が必要な場合があります。

妊娠してから慌てて自己判断で薬を中止するのではなく、妊娠を考えた段階で、かかりつけ医や薬剤師に相談しておくと安心です。

 

 

⑧妊娠や出産についてパートナーと話す

妊娠や出産は、女性だけの問題ではありません。

パートナーの方も同じように正しい知識を持ち、これからの生活や家族について話し合っておくことが、妊娠・出産を迎える準備のひとつになります。

 

すぐに答えを出す必要はありません。

まずはパートナーの方と「将来、子どもについてどう考えている?」と話すことから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 


まとめ


 

プレコンセプションケアは、妊娠を考え始めたときだけに行うものではありません。

今の自分の体や生活習慣を見つめ、これからの健康について考えることも、プレコンセプションケアのひとつです。

 

月経や体調の変化を知ること、バランスのよい食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけること、予防接種や健康診断を確認することなど、今日からできることはたくさんあります。

また、妊娠を考えるようになったときに慌てないためにも、持病や服用している薬、葉酸の摂取などについて、早いうちから知っておくことも大切です。

 

 

そして、妊娠や出産について考えるのは女性だけではありません。

パートナーとこれからの生活や家族について話しておくことも、大切な準備のひとつです。

 

「いつか子どもがほしい」

「まだ先のこと」

と思っている方も、まずは自分の体や健康について知ることから始めてみませんか?

 

今からできる小さな心がけが、これからの自分や家族の健康を考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

キーワード:プレコンセプションケア|妊娠|健康


 

参考文献

1)日本看護協会出版会 助産師基礎教育テキスト ウィメンズヘルスケア

2)医学書院 系統看護学講座専門分野Ⅱ 母性看護学2

3)厚生労働省:健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~

4)厚生労働省:健康日本21(第3次)