お子さんの自信がなさそうな言動に。今日からできる3つの言葉がけ

 

「どうせ無理」「やっても意味ないし」

テスト前や、勉強・部活・塾と忙しく、疲れているとき。

こんな言葉を、子どもがぽつりと口にすることがあります。

 

前はもう少し前向きだった気がするのに。

好きだったことにも、どこか消極的になっているように見える。

自信をなくしているのかなと感じたとき、親としては胸がぎゅっとなりますよね。

 

何かしてあげたい。

でも、どんな言葉をかけたらいいのか、わからない。

そんなときにこそ、思い出してほしいことがあります。

 

自己肯定感は、特別な成功体験だけで育つものではありません。

日々のなかで交わされる、ささやかな“言葉”の積み重ねが、子どもの心の土台になっていきます。

 

 

実際に、心理学の研究でも、親のあたたかい関わりや共感的な声かけが、子どもの自己肯定感や情緒の安定に影響することが示されています。

今回は、今日からできる「3つの言葉がけ」をご紹介します。

 


 

目次

できたことに目を向ける言葉

そのままを認める言葉

存在を肯定する言葉

こんな言葉には、少しだけ気をつけて

まとめ

 


できたことに目を向ける言葉


 

つい私たちは、できていないところに目がいきがちです。

でも、子どもは「ちゃんと見てもらえている」と感じたときに、少しずつ自信を取り戻していきます。

 

たとえば、

「ここ、ちゃんとできてるね」

「前より少し進んでるね」

 

結果ではなく、途中のがんばりや変化に気づいて言葉にする。

それだけで、「自分は大丈夫かもしれない」と思える力になります。

 

これは、「プロセスを認める関わり」が、子どもの意欲や回復力を高めるという研究とも重なります。

 

 

また、お手伝いを多く行っている子どもは、自己肯定感が高く、自立的な行動習慣や探究力が身についている傾向があるともいわれています。

お皿洗いをしてくれた、玄関の掃除をしてくれた、そんな日常の小さな行動に対して、「ありがとう、助かったよ」と声をかけること。

それだけでも、子どもの自己肯定感を育むことにつながります。

 

 


そのままを認める言葉


 

落ち込んでいるとき、子どもは“正しい答え”よりも、気持ちをわかってもらえることを求めています。

 

「そう思ったんだね」

「嫌だったよね」

 

アドバイスをする前に、まずはその気持ちに寄り添うこと。

それだけで、子どもの中の緊張がふっとゆるむことがあります。

 

心理学では、こうした関わりは「情緒的受容」と呼ばれ、子どもの安心感や自己肯定感の基盤になるとされています。

 

 


「存在を肯定する」言葉


 

何かができたときだけでなく、何もできていないように見えるときこそ、届けたい言葉があります。

 

「いてくれて嬉しいよ」

「あなたが大切だよ」

 

日常の中で言うには、少し照れくさいかもしれません。

でも、この言葉は“魔法のことば”のように、子どもの心のいちばん深いところに届きます。

 

 

発達心理学では、「無条件の肯定(無条件の受容)」が、安定した自己肯定感の土台になるとされています。

「できる・できない」とは関係なく、自分はここにいていい存在なんだと思えること。

それが、自己肯定感のいちばんの土台になります。

 

そして、その土台を築いてあげられるのは、身近にいる家族なのです。

 

 


こんな言葉には、少しだけ気をつけて


 

つい、口癖のように発している言葉はありませんか?

「なんでできないの?」

「もっと頑張りなさい」

「〇〇ちゃんはできてるよ」

 

どれも、悪気があって言っているわけではありません。

でも、タイミングや状況によっては、子どもが自分を否定されたように感じてしまうこともあります。



私も、「あなたが思っているより、全然上手にできているよ」と元気づけようとして声をかけることがあります。

すると、子どもは思った反応とは逆に、悲しそうな表情を見せることもありました。

 

自分ができていないと感じているときに「できているよ!」と励まされても、“わかってもらえなかった”という気持ちが大きくなってしまうことがあるのです。

過度な比較や否定的な言葉が、自己評価の低下につながる可能性もあります。

 

肯定しているつもりが、否定されたと感じられてしまうこともある。

だからこそ、少しだけ言い方を変えることで、伝わり方はやわらかくなります。

 

 


まとめ


 

親からかけられた言葉は、やがて子ども自身が、自分にかける言葉になっていきます。

 

うまくいかなかったとき、「どうせ無理」ではなく、「大丈夫、もう一回やってみよう」と思えるかどうか。

その違いは、日々の小さな言葉の積み重ねから生まれます。

 

今日、ひとつだけでもいい。やさしい言葉を、届けてみませんか。

そのひとことが、子どもの心の支えとして、静かに残っていきます。

 

 

キーワード:自己肯定感|子どもへの声かけ|子育て 悩み|親の関わり方|子どもへの寄り添い方


 

参考文献

1)厚生労働省:「子どもの心の発達と親の関わりに関する資料」

https://www.mhlw.go.jp

2)国立成育医療研究センター:「子どものこころの発達と養育環境」

https://www.ncchd.go.jp

3)ベネッセ教育総合研究所:「子どもの生活と学びに関する親子調査」

https://berd.benesse.jp

4)文部科学省:「子どもの自己肯定感に関する調査研究」

https://www.mext.go.jp

5)平木典子(著)『アサーション入門 ― 自分も相手も大切にする自己表現 ―』講談社現代新書