困難やストレスに負けない。レジリエンスを高める方法

 

仕事や人間関係、家庭のこと。

私たちは日々、様々なストレスを感じながら生活しています。

ときには疲れたり、気持ちが沈んだりすることもありますが、それでもまた前を向いて活動することができます。


落ち込んでも少しずつ気持ちが回復していく。

それは、人間に本来備わっている、回復する力”レジリエンス”が働いているからです。

この力があるからこそ、私たちはどんな困難に直面してもまた前を向いて活動することができるのです。

 

今回は、ストレスの違い、レジリエンスを高める方法について紹介していきます。

 


 

目次

快ストレスと不快ストレス

心の不調に気づくセルフチェック

レジリエンスを高めるもの

自己効力感を高める方法

ストレスと上手く付き合っていくには

まとめ

 


快ストレスと不快ストレ


 

「ストレス」とは、外部からの刺激に対する心身の反応のことです。

例えば、仕事の締切に追われたり、人前で話す緊張も「ストレス」ですが、それらが必ずしも悪いものとは限りません。

 

 

◎ 快ストレス(ユーストレス)

「快ストレス」とは、程よい緊張感や刺激をもたらし、集中力や行動力などを高めて人生の活力を与えてくれるストレスです。

 

「良い商品だと思ってもらえるようなプレゼンにしたい」「目標を達成するために勉強を頑張ろう」という気持ちも、この良いストレスによって生まれます。

× 不快ストレス(ディストレス)

一方で「不快ストレス」とは、過度に長期間続くストレスにより、心や体を消耗させてしまうストレスです。

 

仕事量が多すぎる、人間関係で気を遣いすぎる、十分な休息が取れない。

こうした状態が続くと、心身のバランスが崩れ、疲労感や無気力、イライラなどが強まってしまいます。

 

 

大前提として、ストレスを全く感じずに生活するということはあり得ません。

どんな人であっても、どこかしらで「快ストレス」や「不快ストレス」を感じながら生きています。

大切なのは、ストレスをなくす努力をすることではなく、「良いストレスは上手に活かし、悪いストレスには早めに気づいて上手にしのぐ」ということです。

 

自分自身の心の変化に目を向けることが、レジリエンスを育てる第一歩となります。

 

 


心の不調に気づくセルフチェック


 

忙しい日々の中では、心の疲れに気づきにくいこともあります。

「大丈夫」と思っていても、身体の不調や気分の変化がサインとして表れることがあります。

 

次の項目のうち、皆さんはいくつ当てはまるでしょうか?

 

▢ あまりよく眠れなくなった
▢ 朝起きるのがつらい
▢ 何もしていないのに疲れてしまう
▢ 以前と比べて笑うことが少なくなった
▢ 集中力が続かない
▢ 失敗が気になって仕方がない
▢ 「自分なんて…」と自己否定が増えた
▢ 何もかも面倒に感じる
▢ 食欲が減ったまたは急に増えた
▢ 人と会うのがしんどい

 

 

一つでも当てはまる方は要注意です!

心身の不調を感じていませんか?

十分な休息を取り、セルフケアを大切に過ごすようにしましょう。

 

 


レジリエンスを高めるもの


 

冒頭でも紹介した”レジリエンス”とは、困難やストレスなどの外的な圧力に柔軟に対応し、押しつぶされても元に戻ろうとする「心の回復力」「逆境に立ち向かう力」のこと。

個人差はありますが、誰しもがもともと持ち合わせている力です。

 

そして、このレジリエンスを高めるカギとなるのが「自己効力感」です。

これは、「自分ならうまくいく」「自分ならできる」というような”自分の能力を信じる気持ち”を意味し、行動する・学習する・成長することにつながる概念のことを言います。

 

では、自己効力感「自分ならできる」という気持ちを高めるためには何ができるでしょうか?

 

 


自己効力感を高める方法


 

自己効力感を高める方法を4つご紹介します。

 

 

①成功体験や達成感を感じる経験を積み重ねる

自己効力感を高めるために最も効果的な方法です。

 

失敗が重なると誰しも自己効力感が下がってしまうものです。

達成できそうな小さな目標から始め、成功体験を積み重ねていきましょう。

 

毎日ジョギングをする!という目標にすると大変そうに感じるため、近場であれば徒歩にする、エスカレーターを使わず階段にするなど、日々の生活の中ですぐに取り入れられるものが良いと思います。

小さなできたを重ねていくと、『わたしならできる』という気持ちが育まれます。

 

 

②代理的経験

これは、第三者の成功体験を見たり聞いたりすることです。

お手本やロールモデルを見つけるということですね。

「もしあの人ができるのなら、きっと自分にもできるはずだ」という前向きな感覚を育てることができ、自己効力感の育成につながります。

 

対象者の能力や境遇が自分に近しい人物ほど効果的です。

身近にいる先輩や同期などをロールモデルとし、成功までの過程を観察したり、成功までのプロセスを聞くようにされると良いと思います。

また、部下の自己効力感を高める方法としても、身近な先輩をペアにしてサポートしていくというのも効果的です。

 

 

③言語的説得

周囲から「君ならできる」「よくやった」とポジティブな言葉で励まされたり、褒められたりすることで自己効力感が高まります

日常生活の中でポジティブな環境やコミュニティに身を置くように意識されると良いと思います。

 

人間の脳はとても素直です。

耳にした言葉によって思考も行動もがらっと変わります。

まずは自分から周囲の良さに積極的に気づき、言葉で伝え、ポジティブな雰囲気の醸成につなげられると良いのではないでしょうか。

 

 

④生理的情動的喚起

自分の心身を健康的な状態に保つよう心掛けることや、変化があったときにそれに気づき受け止めることで自己効力感が育ちます。

少しでもいつもの自分と違う感覚があれば、自分自身の心の状態にフォーカスしていくことが大切です。

 

おすすめの方法は、頭に浮かんだ言葉、今の自分の状態をジャッジせずに思いのままに書き出すという方法です。

自分の心の変化を自覚し、うまく受け止めるための方法としてぜひ活用していただきたいです。

 

 


ストレスと上手く付き合っていくには


 

ストレスと上手く付き合うためには、”3R”が大切になります。

 

3Rとは、

・Rest「休養」

・Relaxation「癒し」

・Recreation「活性化」

を指しています。あなたにとっての3Rはどんなことでしょうか?

 

 

ストレスの対処法を見つける基準としては、

・バラエティ豊かであること

・あまりコストがかからないこと

・数がたくさんあること

こちらの3点が大切です。気軽に続けられるものを探してみましょう!

 

 


まとめ


 

生きている中で、困難やストレスに直面する場面はいくらでもあろうかと思います。

そんなときに自分自身を守ってくれるのが、”レジリエンス”という力です。

 

辛いこともたくさんありますが、良いことも必ずやってきます。

自分を信じるということが、思いがけない喜びや幸せを運んできてくれることもあるのです。

 

上手くいかない、やる気が出ない、そんな日があっても大丈夫です。

全部含めて”あなた”という大切な存在です。

 

 

キーワード:レジリエンス|ストレス|自己効力感