【助産師解説】妊娠したかも!?妊娠超初期の症状とは?

 

妊娠すると赤ちゃんを育てるために身体は少しずつ変化していきます。

いつから、どのような症状が出てくるのか、何となく体の変化を感じるが妊娠なのかどうか、気になる方も多いのではないでしょうか。

 

妊娠による身体の変化や現れやすい症状をまとめていますので参考にしてみてください。

 


 

目次
 妊娠の基本

妊娠超初期の症状

まとめ

 


妊娠の基本


妊娠週数の数え方には、「0日」が存在します。数え始めを、「最後月経の開始日=妊娠0週0日」と数え、「280日目(40週0日)を分娩予定日」とします。

例えば、12週というのは、12週0日~12週6日までの7日間となります。

 

最後月経から排卵が起こり、卵子と精子が出会うまでは約2週間です。上記の数え方で数えると妊娠2週目ということになりますが、まだ実際には赤ちゃんはお腹の中にはいません。

受精卵となり4~6日ほどかけて子宮内に到達し、着床することで妊娠が成立し、このころは妊娠3週目となります。

 

 

妊娠超初期とは

 

妊娠週数により、妊娠初期、中期、後期といった時期ごとに区分しています。

 

妊娠0~15週(妊娠1~4ヵ月)を妊娠初期。

妊娠16~27週(妊娠5~7ヵ月)を妊娠中期。

妊娠28週以上(妊娠8ヵ月以上)を妊娠後期と言います。

 

妊娠初期には、多くの方が妊娠による身体の変化に気づき、つわりを感じる方が多い時期です。

中期は安定期と言われることも多く、つわりが治まり、胎動を感じたり、お腹も目立ち始めます。

妊娠後期は、お腹がさらに大きくなり、出産に向けて本格的な準備を整えていく時期になります。

 

「妊娠超初期」いう言葉もよく耳にします。一般的に「妊娠0週~妊娠3週の期間」ことを指しますが、医学的に使われる専門用語ではありません。

しかし、着床する妊娠3週頃から早い人であれば妊娠の兆候を身体の変化として感じる方もいます。

 

 


妊娠超初期の症状


妊娠検査薬を使うまでの期間、妊娠しているかの判断は難しいですが、超初期にも症状が現れる方もいます。

症状が現れる理由は、妊娠による女性ホルモンの変化によるものです。

妊娠の成立・維持に大きく関わるhCGホルモンや、着床を手助けする黄体ホルモン(プロゲステロン)、排卵を起こし子宮環境を整える卵胞ホルモン(エストロゲン)が増えるためです。

 

 

現れる症状は人それぞれ

 

妊娠超初期に、どのような症状が現れるのか、はたまた症状が現れないのかは人それぞれです。

妊娠が成立したころに現れやすい症状には以下のようなものがあります。

 

  • 出血

着床出血といい、受精卵が着床するときに、赤茶色の出血が1~2日ほど続くことがあります。

生理予定日付近でこの出血が起こることもあり、生理との区別がつきにくいことがあるかもしれません。

 

  • 基礎体温の上昇

妊娠すると、体温を上げる黄体ホルモンの働きで、身体が熱っぽい、ほてりを感じる方もいます。

毎日、基礎体温測定をしている方は、排卵後からも高温期がそのまま続きますのでわかりやすいと思います。普段から基礎体温測定をしていない方も、「妊娠したかも?」と思った時から測定を始めてみるのも良いですね。ドラックストアでも婦人体温計という基礎体温測定用の体温計を購入することができます。

 

  • 眠気、倦怠感

基礎体温を上げ、妊娠を継続させようとするプロゲステロンの働きにより、眠気やだるさを強く感じる方も多くいます。

 

  • おりものの変化

個人差はありますが、サラサラした半透明や乳白色のおりものが増えることがあります。匂いも酸っぱい匂いがすることもあります。

 

  • 胸が張る、乳首がチクチクする

ホルモンは乳房にも作用し、母乳を作る準備を始めます。非妊娠時よりもホルモン量が増えるため胸が張る、乳首がチクチクするような自覚をする方もいます。

 

  • 頭痛

頭痛も妊娠のサインの一つとして感じる方が多いです。

普段から頭痛などで鎮痛薬を内服している方もいるかと思いますが、妊娠の可能性が考えられるときは、安易に鎮痛剤を飲まずに、頭をクーリングしたり横になるなどして様子を見てみてください。あまりにも頭痛がひどいときには、妊娠によるものなのかの判別をしていく必要がありますので早めに産婦人科を受診しましょう。

 

  • 下腹部痛

子宮は収縮を繰り返しながら、大きくなっていきます。そのため、生理痛のような下腹部痛を感じることがあります。

 

  • 便秘、ガスがたまる

黄体ホルモンには、腸の動きを抑制する作用があります。そのため、便秘になったりガスがたまりやすくなったりします。

 

  • 腰痛

着床すると受精卵が発育するため、子宮内膜が変化し腰痛を感じることがあります。

リラキシンというホルモンの影響によっても、腰痛がみられることがあります。リラキシンは出産に向けて、骨盤の周りの関節や靭帯を緩める働きをもつホルモンです。

 

  • イライラ、気分の落ち込み

ホルモンバランスの急激な変化により、精神的に不安定になりやすく、イライラや、気分が落ち込みやすくなる人もいます。

 

 

このような様々な症状が、妊娠超初期には起こり得ます。

身体の中では大きな変化が起きているかもしれません。思い当たる症状があるときには、無理をせずゆったり過ごしてください。

妊娠している可能性が高い場合には、お酒やたばこ、お薬の内服も念のため控えておくと良いでしょう。

 

 


まとめ


「妊娠したかも?」と心当たりがあると、身体の変化にも敏感になりますよね。

妊娠超初期に起こりやすい症状は、月経前症候群ともとてもよく似ていて、区別が難しいこともあります。症状があり体調がすぐれない時は、無理せず過ごしてください。

月経予定日を1週間ほど過ぎても月経が来ない時には、市販の妊娠検査薬を使って検査してみましょう。

 

妊娠から育児のことで心配やお困りのことがありましたら、いつでも「ファミくる」にご相談ください!

 

 

キーワード:妊娠超初期|妊娠初期|妊娠中期|妊娠後期|症状


参考文献
日本産科婦人科学会 ・日本産婦人科医会- 産婦人科診療ガイドライン 産科編2020
病気がみえるvol.10 産科 第4版 メディックメディア
周産期ケアマニュアル 第2版 立岡弓子


執筆者:高橋萌

2024.06.04