健やかな肌を守る。子どものためのスキンケアとは?

冬の寒さを感じるとともに、子どもも大人もお肌の乾燥が気になってきますね。保育現場でも、ほっぺの赤みや乾燥でのかゆみを訴える子も増えてきます。

子どもの肌はバリア機能が未熟なため、乾燥や暖房の刺激を受けやすい状態にあります。

今回は、肌の乾燥について、予防・ケアの方法を紹介します。

 


 

目次

子どもの肌が乾燥しやすい原因

乾燥によるお肌の症状

肌荒れと乾燥から守るケア

受診目安は?

まとめ

 


子どもの肌が乾燥しやすい原因


 

子どものお肌は、ふっくらすべすべで一見潤っているようにも見えますが、実際は大人よりも乾燥しやすい状態にあります。

子どもの肌が乾燥しやすい原因に、①皮膚の厚さと②皮脂の分泌量があります。

 

①皮膚の厚さ

子どもの皮膚の表皮は大人の約半分ほどの厚さしかありません。

水分を中に閉じ込めたり、外部の刺激からお肌を守るバリア機能も低いと言われています。

そのため、外気の乾燥、暖房による湿度の低下、衣類との摩擦など、わずかな刺激でも水分が失われやすくなります。

 

②皮脂の分泌量

皮脂分泌量も年齢によって大きく変化します。

出生直後はママからもらったホルモンの影響で皮脂分泌も多い状態ですが、生後3か月以降を目安に皮脂の分泌量が急激に低下していきます。

冬季の低湿度が重なることで、肌荒れや乾燥によるかゆみが悪化しやすくなってしまうこともあります。

 

 


乾燥によるお肌の症状


 

乾燥が進むと、皮膚表面が白っぽく粉をふいたようになり、手触りがザラザラします。

ほっぺ、ひざ裏、肘、腕、背中など、肌の薄い部分や衣類とこすれやすい部分に現れやすいのが特徴です。

 

肌が乾燥すると、外部からの刺激がダイレクトに伝わりやすくなり、赤みやかゆみなどの症状が出ることもあります。

無意識に掻いてしまうお子さんも多く、かゆみ→掻く→皮膚障害→かゆみの悪化、という悪循環に陥ることも考えられます。

 

 


肌荒れと乾燥から守るケア


 

① 保湿剤の適切な選び方

保湿剤は、低刺激性のものを選ばれると安心してお使いいただけます。

保湿剤の種類には以下のようなものがあります。

 

 

② 塗るタイミングと量

・入浴後すぐに保湿するのがポイント
・朝の外出前やおむつ交換のタイミングに保湿して乾燥予防に
・指先での擦り込みではなく、手のひら全体で包み込むように伸ばす

 

特に乾燥が強い部分は、ローションと軟膏を重ね塗りするのも効果的です。

 

③ 入浴時の注意

・湯温は38~40℃のぬるめの設定で

・5〜10分の短時間で済ませる
・泡立てた石けんで、ゴシゴシこすらず優しく洗う

 

ゴシゴシ洗いや長湯は肌の油分を奪ってしまい、より乾燥しやすくなってしまいます。
お風呂上がりはタオルで優しく押さえるように水分を取り、すぐに保湿剤を塗るようにしてみてください。

 

 


受診目安は?


 

家庭でのケアで改善が見られない場合は、早めに小児科・皮膚科への受診をおすすめします。

・赤みや湿疹が続き、保湿しても改善しない
・掻きすぎて傷になっている
・水ぶくれや膿になっている

 

 


まとめ


 

お子さんの肌は大人以上に乾燥ダメージを受けやすく、冬のような乾燥しやすい時期は特に注意が必要です。

乾燥はそのままにしておくとかゆみや炎症、湿疹へと進行しやすく、治りにくさや再発の原因にもなってしまいます。

 

日々のケアを生活習慣の一部として続けていただければと思います。

冬の間も子どもの肌を健やかに保つため、家庭での保湿と環境づくりを丁寧に積み重ねていきましょう。

 

 

キーワード:スキンケア|乾燥|肌荒れ


 

参考文献

1)日本化粧品工業会:赤ちゃんからのスキンケア

https://www.jcia.org/user/public/knowledge/essay/essay13

2)主婦の友社:はじめてのママ&パパの育児