破水と尿もれの見分け方

 

「これって尿もれ?それとも破水?」と感じたことはないですか?

突然下着が濡れたり、チョロっと何かが出た感じがしたり…

破水なのか、尿もれなのか不安に思われることもあるかもしれません。

 

実際に妊娠中は、子宮が大きくなることで膀胱が圧迫されたり、骨盤底筋群という膀胱や子宮を支える筋肉への負担によって尿もれが起こりやすくなります。

一方で、破水は赤ちゃんを包む卵膜が破れて羊水が流れ出る状態であり、感染予防の観点からも早めの対応が必要です。

 

しかし、少量の破水では尿もれとの区別が難しいこともあります。

自己判断で様子を見てしまうと、適切な対応が遅れる可能性もあります。

 

今回は、破水と尿もれの違い、見分けるポイント、迷ったときの対応方法について、産婦人科診療ガイドラインなどの情報をもとにわかりやすく解説します。

妊娠中の万が一に備えて、ぜひ知識として持っておきましょう!

 


 

目次

破水とは?まず知っておきたい基礎知識

破水と尿もれの見分け方

破水かもしれないと思ったときの対応

まとめ

 


破水とは?まず知っておきたい基礎知識


 

◎破水とは赤ちゃんを包む膜が破れること

破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、その中にある羊水が外へ流れ出る状態をいいます。

 

一般的には陣痛が進行した後に起こることが多いですが、陣痛が始まる前に起こる「前期破水」もあります。

羊水には赤ちゃんを守る役割がありますが、破水すると細菌が子宮内へ侵入しやすくなるため、感染予防のためにも医療機関での判断が必要です。

 

 

◎破水にはさまざまなパターンがある

破水というと「バシャッと大量に出る」イメージを持つ方もいますが、実際にはさまざまです。

 

・一気に流れ出るタイプ(完全破水)

子宮口の近くで破水するタイプの破水です。

 

・少量ずつ漏れるタイプ(高位破水)

子宮口から離れた位置の膜が破れることで、少量の羊水が少しずつ流れ出てくるタイプの破水です。

「おりものかな?」 「尿もれかもしれない」と感じる程度の場合もあり、見分けが難しいことがあります。

 

 


破水と尿もれの見分け方


 

①色を確認する 

尿は通常、黄色みがあります。

一方、羊水は無色透明から薄い乳白色であることが多く、ほとんど色がない場合もあります。

 

②においを確認する 

尿にはアンモニア臭があります。

一方で羊水は、ほぼ無臭です。

しかし、においの感じ方には個人差が大きいため、確実な判断材料というには難しいところがあります。

 

③自分の意思で止められるか

尿もれの場合は、骨盤底筋を意識したり(肛門をキュッと閉めるイメージ)、排尿後に落ち着いたりすることがあります。

くしゃみや咳などでも尿もれは起こりやすいです。

 

一方、破水は卵膜から羊水が漏れている状態なので、自分の意思で止めることはできません。

尿意とは関係なく流れ出る感覚もあるでしょう。

 

 

【市販の検査キットだけで判断しない】

また、注意していただきたいことがあります。

最近は破水判定をリトマス紙などで自己判断される方もいらっしゃるようですが、正確な診断は医療機関で行う必要があります。

 

病院では、

・内診

・破水の検査

・超音波検査

などを組み合わせて総合的に判断します。自己判断は避けた方が安心です。

 

 


破水かもしれないと思ったときの対応


 

◎まずは病院へ連絡する

「尿もれかもしれない」 「少量だから大丈夫かも」と思っても、破水を完全に否定することはできません。

迷った場合は自己判断せず、かかりつけの産婦人科へ連絡しましょう。

妊娠週数や症状に応じて受診の必要性を案内してもらえます。

 

◎ナプキンを使用する

病院へ向かう際は、清潔なナプキンを使用しましょう。

羊水の量や色を確認するためにも役立ちます。

 

◎入浴は避ける

破水している可能性がある場合は、浴槽につかることは避けましょう。

細菌感染のリスクを高める可能性があります。

シャワーについても、受診前は医療機関へ確認すると安心です。

 

 

【次のような場合は早めの受診が必要】

以下の症状がある場合は、速やかに医療機関へ連絡しましょう。

 

・大量の水分が流れ出た

・緑色や茶色の液体が出た

・胎動が少ないと感じる

・発熱がある

 

これらは、妊婦さんや赤ちゃんへの緊急の対応が必要なサインである可能性があります。

他にも気になる症状があれば、小さなことでも構いませんのでかかりつけの病院へご相談くださいね。

 

 


まとめ


 

妊娠中の尿もれは珍しいことではなく、多くの妊婦さんが経験します。

そのため、「きっと尿もれだろう」と考えてしまうこともあるかもしれません。

 

しかし、少量の破水は尿もれと区別が難しく、見た目やにおいだけでは判断できない場合もあります。

 

また、破水は感染予防のためにも適切な対応が大切です。

もし下着が繰り返し濡れる、止めようと思っても止まらない、水っぽい液体が出るなど気になる症状があれば、迷わず産婦人科へ相談しましょう。

 

妊娠中は「こんなことで連絡していいのかな」と遠慮してしまう方もいらっしゃいますが、お困りごとはどんどん産婦人科医や助産師にお声がけいただきたく思います。

結果的に破水ではなかったとしても全く問題ありません。

むしろ、妊婦さんとお腹の中のお子さんが元気であることを確認できたら、何よりのことです。

 

不安なときは一人で抱え込まず、かかりつけ医や助産師へ相談してくださいね。

 

 

 

キーワード:妊娠中|破水|尿もれ


 

参考文献 

・日本産婦人科医会『産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023』

・公益社団法人 日本産科婦人科学会 日本産科婦人科学会公式サイト