【助産師解説】お産に向けて備えよう!〈破水とは?〉

 

出産予定日が近づいてくると、どんな風にお産が始まるのかドキドキしてきますよね。

出産の始まりのほとんどは「陣痛」か「破水」です。この記事では、破水とはどのような状態なのか詳しく解説していきます。

 


 

目次
破水とは?

まとめ

 


破水とは?


そもそも破水とはどのような状態か解説していきます。

 

破水とは、赤ちゃんを包んでいる膜(卵膜)の一部が破れ、中の羊水が外に流れ出ることを言います。

「温かいお湯が流れる感じ」「動くと出てくる」「チョロチョロ流れる」などと表現は様々です。

破水というとバシャッと大量に羊水が出ることをイメージする方も多いですが、チョロチョロっと少量流れ出てくることもあります。

 

破水のタイミングや破水部位により以下のように分類されています。

 

 

破水時期による分類:適時破水

 

子宮の出口(子宮口)が全開大(約10センチほど開く)頃にする破水を、適時破水といいます。

赤ちゃんが生まれる直前のタイミングでの破水です。

陣痛により、赤ちゃんの頭が少しずつ下降していき、その圧に耐えられなくなった膜が破れ、中の羊水が流れ出てきます。

破水をすることで、さらに陣痛が強まり、赤ちゃんは流れ出る羊水と共に滑るようにゆっくりと産道を通って生まれてきます。

 

破水時期による分類: 前期破水

 

陣痛が起こっていない段階での破水を前期破水と言います。

正期産(37週0日~41週6日)の場合でも3割程度の方におこると言われています。

正期産での前期破水の約90%は24時間以内に陣痛が始まり、お産が進んでいきますので問題ありません。

 

 

完全破水と高位破水

 

破水時期による分類のほかに、破水する部位による分類があります。

子宮口に近い位置での破水を「完全破水」と言い、子宮口から遠い位置で破水すると「高位破水」と言います。

 

 

完全破水の場合は羊水が多めにで出るためわかりやすいですが、高位破水の場合は、羊水の流出が少量でわかりにくいことがあります。

 

 


まとめ


破水とはどのような状態なのか理解できましたか?

破水といっても、ひとりひとり状態が異なります。

ご自身の身体でこれから、どのようなことが起きるのか理解しておくことで、安心してお産に臨むことが出来ます。

ぜひお産についてご家族と一緒に確認しておきましょう。

 

破水時の対応についてもまとめているので、そちらも是非参考にしてみてくださいね。

▶【助産師解説】破水時の対応と受診のタイミング

 

 

キーワード:破水|適時破水|前期破水|完全破水|高位破水


参考文献
・病気がみえるvol.10産科 第4版
・ペリネイタルケア 周産期医療の安全・安心をリードする専門誌 2023年9月1日発行 第42巻9号(通巻564号)前期破水・子宮内感染の取り扱い


執筆者:高橋萌

2024.03.29