このコラムを読んでいる方には、離乳食を始めようと考えているママさんパパさんが多いのではないでしょうか?
初めての離乳食は分からないことが多く、どのように進めていくか不安になることもあるかと思います。
今回は、離乳食の始め方など離乳食初期に関する内容と、進め方についてご紹介していきたいと思います。
目次
❚まとめ
離乳食開始の時期は?
離乳食のスタート(離乳食初期)は、生後5〜6か月が目安です。
午前か午後にまずは1回から、トロトロ状のおかゆを1さじから始めます。
母乳やミルクのみで補えていた栄養も、この頃になると鉄分などが不足してきますので、それらを補うために離乳食が必要となってきます。
遅くとも6か月を目安に離乳食を始める準備をしていけると良いとされています。
離乳食開始の目安
離乳食開始の目安は、上記でもご紹介したように生後5〜6か月頃とされていますが、これはあくまで目安ですので、お子さんの成長に合わせて始めるタイミングを見極めていただければと思います。
①首がしっかりとすわっていて、寝返りが出来る
②支えてあげると5秒以上お座りができる。
完璧に一人座りができていなくても大丈夫ですので、ママが支えたり、ベビーチェアに座れるくらいでOKです。
③大人が食べている様子や食べ物に興味を示す。
④スプーンなどをお口に入れても押し出すことが少なくなる。
上記のようなサインが見られたら離乳食開始の時期です。
離乳食をスタートする日は、赤ちゃんの体調、機嫌がいい日を選ぶようにしましょう。
離乳食開始に必要なアイテム
離乳食開始に向けて、必要なものを準備しましょう。
- 離乳食用スプーン
赤ちゃんのお口に当たっても優しいシリコン製のものや、持ち手が細長く、先端部分が赤ちゃんの口のサイズに合う小さなものがおすすめです。
この時期の離乳食は、トロトロした形状のものがほとんどですので、すくいやすさもポイントです。
- 赤ちゃん用のお皿
落としても割れにくいプラスチックなどの素材のものがおすすめです。
冷凍で作り置きをする場合は、電子レンジに対応したお皿だとより使いやすいです。
- 食事用エプロン
始めからこぼさず綺麗に食べるということはできません。
口に食べ物を運んでも「べー」と出てきてしまうことがほとんどですので、エプロンを準備すると安心して食べさせられると安心です。
受け皿がついているシリコン製のものや、ナイロン生地のスモックなどは水洗いで何度でも使うことができるため便利です。
- ベビーチェア
しっかりと座れるようになったらベビーチェアを使うと安定感がでます。
慣れるまでは、ママさんの膝の上に抱っこし、少し後ろに傾けるような姿勢で食べさせると、口からこぼれにくくゴックンと飲み込みやすくなります。
バウンサーなどでもOKです。
調理・保存に便利なアイテム
調理や保存に便利なアイテムは様々ありますので、お子さんの離乳食の進みに合わせてすり鉢や、おろし器、みじん切り器等を使っていけると楽に調理が出来ておすすめです。
- ブレンダー、すり鉢
食材をペースト状にする際に使います。
どちらか一つあれば大丈夫ですが、ブレンダーは数日分を作り置きしたい方におすすめで、すり鉢は少量ずつ作りたい方におすすめです。
- 離乳食フリージングトレイ
離乳食を冷凍しておく際に便利なアイテムで、小分けになっているため、量の調節も楽に出来て便利です。
離乳食初期の進め方
離乳食1日目は、負担の少ない米がゆ(10倍がゆ)を小さじ1さじからスタートを目安としています。
小さじ1さじというと、離乳食用スプーンでだいたい3~4杯くらいです。
1さじというのは、「少し」の量からというあくまで目安と思ってくださいね。
米がゆに慣れてきたら野菜をプラス、野菜に慣れてきたらタンパク質源をプラスというように、2~3週間かけて徐々に食べられる食品を増やしていきます。
初めての食材はアレルギーが出ることがあるので、1種類ずつ、1日1さじの少量から始めましょう。
離乳食開始後も、母乳やミルクは赤ちゃんが飲みたいだけ与えて問題ありません。
初期に与えてもいい食材は?
〇OK食材
- 米がゆ(10倍がゆから)
- パン(小麦)は6か月頃から
- 柔らかく、すりつぶせる野菜(大根、人参、たまねぎ、かぼちゃなど)
- 豆腐、白身魚(しらす・鯛など)
- かたゆで(20分加熱)の卵黄(※耳かき1杯程度の量から開始)
✕NG食材
- 乳製品
- 肉
- 海藻類
- 納豆
- 調味料
形状は?
ゴックンと飲み込むことで精一杯の離乳食初期ですので、スタートの段階では飲み込みやすいなめらかなペースト状にしましょう。
ポタージュやプレーンヨーグルトのようなトロトロしたものがお手本になります。
調理の際は、ブレンダーやすり鉢、茶こし等を使って、かたまりや繊維が残らないようにするとスムーズにゴックンしやすくなります。
離乳食中期に進む時期を目掛けて、水分量を少しずつ減らしていき、マヨネーズくらいのベタっとした形状にしていけると理想的です。
離乳食始めの進め方イメージの一例をご紹介します。
介助の方法を知りたい!
ポイント1:食べやすい体勢
お座りが安定しない場合は、ママのお膝の上で食べるようにし、少し後ろに傾けるようにして抱っこすると食べやすくなります。
ベビーチェアを使う場合は、おしりまでずっしりと座れているか確認し、前のめりになっていたり、苦しそうな体勢になっているようであれば直してあげてください。
ポイント2:離乳食はスプーンの先端ですくい、赤ちゃんの下唇にのせる
下唇の上にのせたまま、赤ちゃんがすすり飲むのを待ちます。
この時、スプーンが床と平行になるよう下唇にのせるのがポイントです。
すすった食べ物を飲み込むという練習をしているため、スプーンは赤ちゃんの口の中には入れないようにしましょう。
ポイント3:離乳食の合間に水分も
唾液の分泌がまだ弱いため、合間にスープやお茶、お水などの水分を摂れるようにしましょう。
おちょこ等の小さいコップで、コップのみの練習を始めるのも良いです。
ポイント4:こまめに口周りを拭きましょう
ママさんパパさんからの介助のもと食事をしますが、お口周りがべたべたになってしまうことがほとんどです。
調味料はまだ使えないためかゆくなったりは少ないかもしれませんが、こまめに拭いてあげるようにし、気持ちよく食事ができるようにしてあげてください。
まとめ
初めての離乳食は、ママさんパパさんにとってドキドキの瞬間だと思います。
「上手に食べさせないと!」「栄養が摂れるようにしっかりと準備しないと!」と身構えすぎず、まずは赤ちゃんが離乳食に慣れるということが大切な時期です。
たくさん食べるというよりは、母乳やミルク以外のものに慣れ、食事が楽しい時間だと感じてもらうことです。
また、離乳食は始めたら絶対に毎日やらないといけないということではありません。
毎日少しずつ食べれるのが理想ですが、赤ちゃんの気分によっては全く食べないこともありますし、始めたはいいものの全く食べない、時期が早すぎた、そんなこともあります。
赤ちゃんのペースに合わせながら、楽しい雰囲気の中でゆっくり進めていただければと思います。
キーワード:離乳食|離乳食初期|生後5~6か月
参考文献
1)授乳・離乳の支援ガイド 厚生労働省
2)一般社団法人 母子栄養協会
3)はじめてのママ&パパの育児 五十嵐隆(国立成育医療研究センター理事長)監修 主婦の友社
執筆者:高橋萌