今回は、破水をした時の対応や注意する点についてまとめています。
いざ破水したという時にも慌てず産院へ連絡し、入院、そして出産を迎えられるように準備しておきましょう。
目次
破水時の対応と受診のタイミング
① 「破水したかも?」と思ったら
羊水の色や量を確認して、大きめの綺麗なナプキンをあてます。
羊水は透明~淡ピンク色が正常です。
出血のように真っ赤な羊水が出る時にはすぐに産院へ連絡してください。
破水をすると、赤ちゃんがいる子宮(卵膜)の中と、外の世界がつながることになるので、
外から子宮に細菌が入り込んでしまう場合があります。
そのため、入浴やシャワーは厳禁です。
破水した“時間“は先生や助産師に聞かれるので、だいたいでもよいので覚えておきましょう。
② 病院へ連絡
破水をすると、陣痛がきていなくても入院となります。
羊水は赤ちゃんのクッションの役割をしてくれています。
羊水が極端に減ってしまうと、赤ちゃんにもストレスがかかってしまいますので、
入院をして赤ちゃんの様子と陣痛の様子を見ながら過ごしていきます。
③ 家族へ連絡
そばに家族がいなければ、破水したことを連絡し、産院まで送ってもらえるか確認しましょう。
もし、家族が送ることができない場合はタクシーを使いましょう。
事前にお住まいの地域の陣痛タクシーに登録しておくことをお勧めします。
④ 迎えが来るまで横になって待つ
「ついにその時がきた!」とソワソワして落ち着かないかもしれませんが、
羊水ができるだけ出ないように、横になって迎えを待ちましょう。
⑤ 産院へ移動
移動中、羊水がナプキンに収まらないことがあるので、
念のため、レジャーシート等の上にバスタオルを敷いて座るのがお勧めです。
産院に到着したら、破水をしているか、子宮口の開きはどうか、羊水の色はどうか、赤ちゃんは元気か等の診察を受けます。
陣痛が始まっていない場合でも、多くが破水をしてから24時間以内に陣痛が始まります。
「本当に破水かな?」と迷ったら…
破水は、妊娠後期のマイナートラブルでもある尿漏れと鑑別がつきにくい場合があり、産院への連絡を迷ってしまう方も多くいます。
破水の場合は、自分の意思では止められず、体を動かしたときや赤ちゃんが動いたとき等に流れ出ます。
「高位破水」では、出てくる羊水の量が少ないため、鑑別がより難しいことがあります。
「尿漏れかも?」と思っても、万が一の時のことを考え、まずは産院に連絡し診察を受けるようにしましょう。
高位破水については、他の記事で詳しくまとめていますのでそちらも参考にしてみてください。
まとめ
突然、生温かい水が流れてくるのではじめは慌ててしまうかもしれません。
しかし、破水の際どのように対応したらよいかを事前に知っておくことで、安心してその時を迎えることが出来ると思います。
破水だけでなく、陣痛や出産について、産後の生活や赤ちゃんのことなど、妊娠中からご家族と一緒に学び、イメージを膨らませておくことがとても重要です。
妊娠中は、これからご自身やご家族に起こることを知っておく絶好の準備期間です。
ぜひ、出産や今後の赤ちゃんとの生活をじっくり考える時間を作ってみてくださいね。
キーワード:破水|破水の対応|産院|羊水|
参考文献
・病気がみえるvol.10産科 第4版
・ペリネイタルケア 周産期医療の安全・安心をリードする専門誌 2023年9月1日発行 第42巻9号(通巻564号)前期破水・子宮内感染の取り扱い
執筆者:高橋萌