0か月の赤ちゃんは”新生児”と言われ、生まれた日(生後0日)から生後28日未満の赤ちゃんのことを言います。
この新生児の時期は、ママのお腹から出てきて、外の世界に慣れていくためにとても大切な期間です。
まだまだ小さな体ではありますが、たくましく成長していき、ママさんパパさんも驚く1か月になるかもしれません。
今回は、0か月の赤ちゃんの成長や発達について詳しく解説していきたいと思います。
目次
❚まとめ
新生児の特徴
生まれて間もないこの時期は、親にとってもお子さんとの新たな生活のスタートですから、新しいことの連続でうれしい半面大変な時期でもあります。
そんな新生児の時期の赤ちゃんの代表的な特徴を紹介していきます。
一時的な体重減少
生まれた時の身長、体重の目安は、身長:約50cm、体重:約3000g程度です。
生まれて間もない赤ちゃんは、飲める母乳やミルクの量が少なく、飲む量よりもおしっこやうんちなどで出る量の方が多くなります。
そのため、出生時の体重から生後3〜4日間程度は体重の減少がみられます。
これは、「生理的体重減少」と呼ばれ、一時的なものなので心配はありません。
その後、少しずつ飲める量が増えることにより、出生時の体重に戻っていき、以降は1日に25〜30gずつ増加していくといわれています。
1か月健診の時には、約1kgほど体重が増加する赤ちゃんが多いですが、お子さんの生まれたときの体重などによっても、体重増加のペースは個人差があります。
吐き戻しが多い
赤ちゃんの胃の形は大人に比べて縦長で、胃の入口の筋肉も未熟なため、吐き戻しが多いことも特徴です。
お口の横からタラタラと流れてくることもよくあります。大量な吐き戻しが続く、飲みが悪い、体重の増えが悪いなどがなければ特別問題ありません。
おっぱいやミルクを飲むときに一緒に空気も飲んでしまいやすいので、授乳の後にはゲップをさせてあげてください。
生理的黄疸
黄疸とは、一言でいうと皮膚が黄色くなることです。すべての赤ちゃんに多かれ少なかれ見られる生理的な現象です。
生まれてから 3 ~4 日目が 1番黄色っぽくなり、徐々に黄色い色は消えていきますが、母乳の場合は黄疸 が長引く場合があります。
産院では黄疸の度合いのチェックをしていますが、退院後にもし赤ちゃんのお肌や白目部分の黄色味が強くなって見えたり、飲みがわるく眠りがちなどがあるようでしたら、産院に相談すると安心です。
新生児期に見られる反射
新生児期の赤ちゃんは、腕を曲げた状態で手をぎゅっと握りW型、足は膝を曲げてM型の体勢が基本です。
新生児の体の動きには、外からの刺激に対して体が反射的に動く「原始反射」というものが見られます。
原始反射について代表的なものをご紹介します。
- モロー反射
赤ちゃんが大きな物音などに反応し、ビクッと手足を動かしている姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
音や光など外部からの急な刺激に対して、手足が無意識に反応し、両手を上に上げ、両足を伸ばすようなポーズをします。
その後、抱きつくように手足を縮める動作に変わります。この反射は生後4〜6か月頃まで見られる正常な反応です。
無意識な反応のため、寝ている時にもこの反射が起こり、自分でも驚いて泣き出す赤ちゃんもいます。
- 把握反射
手のひらや足の裏などをそっと触ると、ぎゅっと握り返してくるのが把握反射です。
小さな手でぎゅっと握ってくれる様子に愛おしさを感じるママさんパパさんも多いのではないでしょうか?
手の把握反射はものを握ることができるようになる生後4か月ごろになくなり、足の反射は自分の足で立つようになる生後11か月ごろになくなります。
- 探索反射/吸てつ反射
探索反射は、軽く頬に触ったり、唇の端が刺激されると、赤ちゃんは刺激された方に顔を向け、吸うための準備として舌を舐めるように出す反射です。
この反射は、おっぱいを吸うための助けになります。
そして、口に入ってきたもの(ママの乳首など)を強く吸う反射を吸てつ反射と呼び、母乳を飲むために生まれる前から備わっている反射です。
まとめ
新生児期は、赤ちゃんが外の世界に慣れていくための準備期間でもあります。
お腹の中で眠っていたのがお家のお布団に変わったり、ママから受け取っていた栄養も今度は自分でおっぱいを吸って蓄えていきます。
ママやパパにとっても、赤ちゃんとの生活に慣れていくための貴重な時間です。
新生児期らしいお子さんの様子や特徴を理解し、成長を見守りながら、新しい生活に少しずつ慣れていっていただければと思います。
退院後は、不安なこともたくさんあるかと思いますが、助産師や専門家など周りを頼りながらお過ごしいただきたいです。
いつでもファミくるでもご相談ください。
新生児の一日の様子やお世話をまとめたコラムも合わせてご覧ください。
キーワード:新生児|0か月の赤ちゃん|反射|成長|発達
参考文献
1)学研書院
http://www.gakkenshoin.co.jp/book/ISBN978-4-7624-0880-9/042-043.pdf
執筆者:高橋萌