「頭の形がゆがんでいるかも」「いつも同じ方向ばかり向いている」という赤ちゃんの頭に関するお悩みを抱えるママさんパパさんも多いかと思います。
実際に、頭の形や向き癖を心配されてご相談いただくことがよくあります。
今回は、赤ちゃんの向き癖と頭の歪みや変形についての関係と、対処法についてお話していきます。
目次
❚まとめ
向き癖とは?
赤ちゃんを寝かせると、いつも同じ方向を向いている…そんな経験はありませんか? これが「向き癖」です。
赤ちゃんは首の筋肉がまだ未発達なため、寝るときに楽な方向を向きがちです。
また、お世話をする大人の位置や光の入り方など、環境の影響も受けやすいです。
心配されるママさんは多いですが、実は向き癖は多くの赤ちゃんに見られる自然な現象といわれています。
向き癖と頭の歪みの関係性
赤ちゃんの頭蓋骨は、出産の際に狭い産道を通ったり、生まれた後の脳の成長に対応したりする必要があるため、とても柔らかくできています。
生まれたばかりのお子さんの頭を撫でたときなど、大人の頭とは違う柔らかさで、場所によっては骨がない部分があるなど驚いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そのため、赤ちゃんの頭はちょっとした圧力が持続的にかかるだけで歪みが起こりやすい状況があり、それは「自分の頭の重さ」でも変形してしまうほどです。
実は、このような頭の柔らかさこそが”向き癖の原因”となることもあります。
例えば、
・ママの子宮内で、頭の一部が圧迫されるような姿勢が長かった場合
・逆子だった場合
・双子で子宮内が窮屈だった場合
・出産で時間がかかり頭への圧迫が長かった場合
・吸引分娩や鉗子分娩という出産方法だった場合
などでは、生まれる前のママのお腹にいた時から、又は出産の際に頭の形が変化し、向き癖につながることがあるといわれています。
このように、生まれた時から向き癖が起こりやすい要因が隠されていることがあるので、「卵が先か、鶏が先か」というように、「向き癖が先か、頭の変形が先か」というような関係性があることが知られています。
頭の歪み・変形への対策
周囲の方から「成長や発達とともに気にならなくなるよ」「向き癖はみんなあるからね」「気にしすぎなんじゃない?」等、いろんな意見を聞くこともあるのではないでしょうか。
ですが、赤ちゃんと一緒にいる時間が長いママだからこそ、心配になるものです。
ママとパパの間でも考えが異なることもあります。
「頭の形が歪んでいて心配、大丈夫かな?」という思いが少しでもある方は、「気にしすぎか。」「大丈夫だろう。」と見逃さず、まずはぜひこれからご紹介することを生活に少しずつでも取り入れてみていただきたいと思います。
1.頭の向きを変える
こちらは多くの方が意識して行っていることかもしれませんが、赤ちゃんを寝かせるときに、頭の向きを交互に変えてあげることです。
授乳ごとに左右に向きを変えてあげて、長時間同じ部分が圧迫されるのを回避してあげてください。
2.抱っこの姿勢を変える
抱っこをするときに、同じ方向ばかり向かせないようにすることも重要です。
ママやパパが抱っこしやすい向きというのはあるかもしれませんが、いつも同じ方法での抱っこだと、赤ちゃんが一定の方向を向いている時間が長くなってしまうので、いろんな抱き方をしてあげるように意識しながらたくさん抱っこしてあげてください。
3.うつ伏せの時間を作る
赤ちゃんが起きている時間帯には、うつぶせで過ごす時間を増やすことも有効です。
うつ伏せで遊ぶことを「タミータイム」といいます。首や肩の筋肉が鍛えられたり、後頭部が平らになることを防ぐことができます。
日中の赤ちゃんが機嫌の良いタイミングで、はじめは1回3~5分の短時間で、1日2~3回程度を目安に時間を作ってみましょう。
うつ伏せ寝をさせるときには、必ず大人が見守ってあげながら行っていただき、うつ伏せのまま眠ってしまったときにはそっと仰向けに戻してあげてください。
床だとすぐに泣いてしまう場合は、ママやパパの胸の上でうつ伏せになるのもOKです。
4.向き癖と反対から話しかける
生後2か月頃からは、徐々にママやパパの声に反応を示すようになります。
向き癖と反対から話しかけたり、遊んであげることで癖と反対側を向くことを増やしてあげることも効果的です。
ママやパパの場所を変えずとも、赤ちゃんが寝ている場所の頭と足の位置を変えてあげることでもお顔の向きを変えることが出来ます。
5.枕の活用
赤ちゃん用の真ん中がへこんだ枕の活用も頭の変形を防ぐためのアイテムの一つです。
上記の他の方法と合わせて活用できると良いですね。
専門医への相談タイミング
向き癖や頭の形について悩まれているママさんは、平均で3か月は悩んでいるというデータもあります。
最近では、「ヘルメット治療」という頭の形を矯正する治療について耳にしたり、治療をしているお子さんを実際に見たことがある方もいるかもしれません。
ヘルメット治療の適応になるかどうかは歪みの程度や月齢などにもよりますが、最終的にはご両親が治療を希望するかどうかで決めていくことになります。
治療を行う場合、
治療開始は早ければ早いほど効果的であり、
月齢3~4か月頃までに始めてあげることで治療効果が高いと言われています。
早くからの専門医からのアドバイスによって、ヘルメット治療をせずとも日々の対策によって頭の形が整っていくこともあります。
小児科の先生の中にも、頭の変形やヘルメット治療について専門としている先生がいますので、頭の歪みやお子さんの向き癖が気になるようであれば、気になったタイミングで一度専門の先生に相談してみていただければと思います。
まとめ
向き癖や頭の形への心配は、日々のケアや意識によって改善されていくことも多いとされています。
ママさんパパさんが毎日の生活の中で少しずつ気にかけてあげることが、赤ちゃんの健やかな成長と、過ごしやすさにつながっていきます。
ぜひお子さんとのふれあいの中で、できることから取り入れてみてください。
キーワード:向き癖|頭の歪み|ヘルメット治療
参考文献
1)小児の頭蓋健診・治療ハンドブック 赤ちゃんの頭のかたちの診かた 日本頭蓋健診治療研究会 編著
2)公益社団法人日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/torticollis.html
執筆者:高橋萌