【助産師解説】育児中のパパへ。産後ママのガルガル期について知っておいてほしいこと!

 

産後の「ガルガル期」という言葉を聞いたことがありますか?

 

出産は女性にとって身体的にも精神的にも大きな変化の時期です。

その中でも特に「ガルガル期」と呼ばれる時期は、パパさんからの理解とサポートがとても大切です。

とは言うものの、この時期のママさんへの関わり方や何をすれば良いか分からないというパパさんも多いのではないでしょうか。

 

今回は、パパさんに参考にしていただきたいガルガル期中のママさんサポートについて紹介したいと思います!

 


 

目次

ガルガル期とは?

ガルガル期のママの様子

ガルガル期の原因とは?

パパができるサポートを紹介

まとめ

 


ガルガル期とは?


「ガルガル期」という言葉は専門用語ではありませんが、出産後に女性が経験する一時的な心理的変化のことを表しており、マタニティブルーの一種であるとも言われています。

「ガルガル期」と呼ばれるのは、動物が赤ちゃんを守るために警戒心を強める様子から来ているそうです。

 

産後は母性本能が高まり、ママは赤ちゃんを守らなければという気持ちが強くなります。

その母性本能の強まりによって、時に攻撃的になってしまうことがあります。

ガルガル期は、産後数週間から数ヶ月ほど経験するママがいるようです。

 

 


ガルガル期のママの様子について知っておきましょう


この時期のママの心理的な変化としてどのようなことがあるのか見ていきましょう。 

 

 

  • 様々なことに対して過敏に反応する

この時期は、環境の変化や他の人の行動に敏感になってしまうということがあります。

ちょっとした物音や他の人の動きに反応するようになり、これまで気にならなかったことも気になってしまうということが増えます。 

 

 

  • 他人に対する警戒心の強まり

家族や友人であっても、赤ちゃんに触れたり抱っこされたりすることに対して、強い警戒心を感じる方もいます。

赤ちゃんに対するパパさんの対応やあやし方なども気になってしまい、パパにあたってしまうこともあるかもしれません。

 

 

  • 気持ちの変動が大きくなる

子育てのアドバイスをされるとイライラしてしまったり、産後間もない我が子を守らなくてはいけないというプレッシャーから不安になったり、悲しくなったりと、一日の中で気持ちが大きく変動することが増えます。

 

 


ガルガル期の原因とは?


このようなママの変化はなぜ起こるのでしょうか。

このような気持ちの動きは、長い妊娠生活、そして命がけの出産を乗り越え、我が子に出会えたことによる、産後のママの身体と心の本能的な反応でもあるとも言えます。

それでは、詳しい原因を見ていきましょう。

 

 

  • ホルモンバランスの変化

出産を機に、ママの身体の中ではとても大きな変化が起きています。妊娠中は赤ちゃんをお腹の中で育てるためのホルモンが必要となります。そして、産後は母乳を作る、授乳をするためのホルモンが分泌されます。

 

このように、産後のママの身体の中ではホルモンバランスが大きく変わるのです。

このホルモンバランス変化により、ママの感情は不安定になることが分かっています。

必要以上にイライラしたり、不安を感じやすくなったり、急に涙があふれてしまったりと感情の起伏が激しくなるのです。

心を許しているパパさんにだからこそ、強く当たってしまったり、攻撃的になってしまうことがあるのかもしれません。

 

 

  •  母性本能の高まり

辛い出産を乗り越え、赤ちゃんに出会えたことで、「我が子を守り育てるんだ」という母親としての本能が強く働くことが、この時期のママの行動に大きな影響を与えているとも言われています。

 

このような母性本能の強まりが、我が子にとって良くないと思われる要因を排除しようとする行動として現れるのです。

 

 

  • 睡眠不足・疲労の蓄積

特に新生児の時期や月齢が小さい頃は、赤ちゃんのお世話や夜中の頻回な授乳により睡眠不足になることが多く、疲れが溜まりやすくなります。お子さんによっては夜泣きが激しい子もいらっしゃるかと思います。

「2歳になるまでまとめて3時間以上寝たことがなかった」と話していたママもいました。

睡眠不足・疲労の蓄積が、気持ちの不安定さにもつながってしまうのです。

 

 


パパができるサポートとは?


ここまで産後のママの身体と心に、どのような変化が起きているのかお伝えしてきました。

パパさんからのサポートは、赤ちゃんとの心地よく安心した生活を過ごす中でとても重要となってきます。

 

「何ができるか分からない」

「逆に怒らせてしまうのではないかと心配」

と感じているパパさんに向けて、パパが出来るサポートをご紹介していきます。

 

 

  •  家事や育児は2人で分担が鉄則

育児タスクの量は多く、どれも想像以上に神経を使うものです。それに加えて家事もあります。

1人で背負うにはあまりにも負担が大きすぎてしまいます。

ここで重要なのは、どんな時でも臨機応変にお互いをサポート出来る状態をつくるために、ママとパパがお互いに任せられるタスクを増やす事です。

ママがいないと成り立たないことばかりでは、ママは1人でゆっくり休める時間もありません。

育休等を活用して、できる家事・育児を増やしていってください。

 

新生児のころは特にオムツ替えの回数が多く、授乳も2~3時間おきと頻繁です。

授乳前のオムツ交換や、ミルク作り、授乳後の哺乳瓶の片づけをしてもらえるととても助かります。

毎日の夜間の授乳もママにとって大きな負担となります。

日ごとで分担してミルクを飲ませる、完全母乳の場合は、おむつ替えや寝かしつけはパパがやってみるなど夫婦で分担できると良いですね。

 

産後、ママはほとんどの時間を赤ちゃんと一緒に過ごします。

出産前とは異なり自分の時間がなくなるので、ママがリフレッシュできる時間を作ってあげることは大変喜ばれますし、ママが笑顔で育児をするために必要な時間です。

パパ1人での赤ちゃんとのお留守番や、お出かけ、お風呂や寝かしつけも出来るとママは大変助かります。

 

 

  • 理解と共感をし、コミュニケーションを大切に

ガルガル期が一時的なものであることを理解し、ママの気持ちに共感することがとても大切です。

ママが感じている不安やストレスを受け止め、「そうだったんだね、大変だったよね」「大丈夫だよ」「ありがとう」とママが安心できる言葉をかけてあげてください。いつもそばで支えてくれるパパの言葉はママにとって精神的な支えになると思います。

 

ママが日頃感じていることや考えていることをゆっくりと聞ける夫婦2人の時間を作ることも時には必要です。

2人の時間をパパが作ってくれたということも、ママにとっては嬉しく感じるのではないでしょうか。ママの話を聞きながら、パパ自身が感じていることも素直に話してみてください。

 

 

  • ストレスの原因を避けてあげる

 ママがどんなことにストレスを感じるか分かるというパパさんは、そのストレスとなる原因をなるべく避けてあげられると良いかと思います。

来客がくることのストレス、睡眠がとれないことのストレスなどママによって様々な原因があります。

完全にストレスを除き切るということができなくても、体調が落ち着くまでは来客を控える、日中パパさんが赤ちゃんを見る時間があれば、ママに睡眠をとってもらうなど、ママが少しでもストレスを感じなくなる方法を考えてみましょう。

 

 

  • パパ自身のケアも忘れずに!

パパ自身もストレスや疲れを感じることがありますよね。お仕事をしながら家事や育児の分担など大変かと思います。

パパ自身のケアも忘れずに行ってください。

時にはお子さんをご家族などに預け、夫婦2人でリフレッシュする時間を作るのも良いです。

パパが元気でいることが、ママの安心にもつながります。

 

 


まとめ


お子さんが小さい時には特に、パパ、ママにとって大変な時期ですが、お互いに支え合うことが家族全体の強い絆につながります。

子育てに正解はなく、初めてのことに戸惑いの連続かもしれません。

それは、パパだけでなく、ママも同じです。夫婦2人だけでは解決できない悩みや不安、困りごともたくさん出てくると思います。

 

そんな時は、頑張りすぎずいつでも周りの人を頼ってください。

ご家族、友人、出産施設の先生や助産師、地域の保健師など、頼れる場所はたくさんあります。

ぜひそのことをいつも頭の片隅に置きながら、赤ちゃんとの生活を楽しんでいただけたらと思います。

 

 

キーワード:ガルガル期|産後|ママ|パパ|サポート


執筆者:高橋萌

2024.08.16