【助産師解説】生後2か月の赤ちゃん、成長発達や過ごし方・遊び方を紹介!

 

生後2か月頃の赤ちゃんは、声を出したり、笑ったりと表情が豊かになってきて、ママやパパとのコミュニケーションもより一層増えてきたのではないでしょうか。

ひとりで機嫌よく過ごせる時間も出てきます。

里帰り先から自宅に戻るママも多いのではないでしょうか。

パパの育休が終わり、日中、ママと赤ちゃん二人で過ごす時間が増えてくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

今回は、生後2か月の赤ちゃんの成長や1日の過ごし方、遊び方についてお伝えしていきます。赤ちゃんとの過ごし方やスキンシップの参考にしてみてください。

 


 

目次
一生のうちで一番成長する時期!

2か月の赤ちゃんの過ごし方

まとめ

 


一生のうちで一番成長する時期!


新生児の頃と写真を見比べると、グンと成長していることに驚くママは多いのではないでしょうか。

身体だけでなく、心の成長も日々感じることが増えてきますね。

生後2か月頃の赤ちゃんの成長を具体的にみていきましょう。

 

 

身長、体重の成長

 

生後2か月頃の赤ちゃんは、一生のうちで一番成長する時期と言われています。

母子健康手帳の成長曲線で、体重や身長の伸びを見てみましょう。

2~3か月の赤ちゃんは、平均で出生時より身長は約10センチの伸び、体重は2.7キロ増加すると言われています。体重は生まれたときの約2倍にも成長していきます。

生後2~3か月未満の赤ちゃんの身長、体重の目安はこちらです。

 

※厚生労働省「乳幼児身体発育調査」平成22年

 

「生後2か月」といっても、生後2か月ちょうど~明日で生後3か月の赤ちゃんでは差があるのは当然ですし、出生時の週数や体重によっても個人差があります。

成長曲線でお子さんなりの成長をみてみましょう。

 

 

哺乳量UP

 

このころになると、一回で飲める母乳やミルクの量が増えてきます。

一度の授乳で120ml程度飲めるようになってきます。1回で飲める量が増えてくると、授乳間隔も少し空いてくるため、少し楽になったと感じるママもいらっしゃいます。

 

哺乳量はUPしていますが、「生後3か月までは満腹を感じられないので、与えただけ飲んでしまう」というポイントを覚えておくことも大切です。

これは、満腹を感じるための視床下部という脳の働きが未熟なためです。

 

赤ちゃんの“泣き”には、いろいろな泣きがあります。

お腹が空いている泣き、甘えている泣き、オムツが汚れた、うんちが出そうで不快な泣き等、お腹がいっぱいで苦しくてぐずる等様々です。

「泣いている=お腹が空いている」がいつも成立するわけではないことを頭の片隅に入れておいてください。

 

 

運動能力の発達

 

ハンドリガードという、自分の手を見つめる行動が出始めます。

はじめは、たまたま動かした手が目に入り「よその何か」と思って見ていますが、その手を口に運んだり、しゃぶったりしながら「これは自分の身体の一部!」と発見し、認識します。

そこから自発的な行動が始まっていきます。

 

首が少しずつ安定してくるので、機嫌がいい時には、腹這いで過ごす時間を作っていきましょう。

タイミングとしては、授乳後は避け、機嫌の良いときに必ず見守ってあげながら行ってください。

左右どちらかに傾く、安定が悪く嫌がる赤ちゃんには、薄めのタオルを丸め、脇の下に挟むと安定しやすくなります。

はじめは3~5分の短時間で、1日2~3回程度を目安に時間を作ってみましょう。

腹這い、うつぶせ寝についての詳しい方法は、海外からの資料になりますが、「タミータイムツール 日本語版」を参考にしてみてください。

 

 

心の発達

 

首が動かせるようになり、自分の意志で興味を持つものを見られるようになります。

すると知能が発達し、身の回りのものにより興味を示すようになっていきます。

お散歩に行き、車や動物、植物などいろいろなものを見せてあげるのもよいですね。ママの気分転換にもなります。

 

 


ママと赤ちゃんの1日、どう過ごす?


生後2か月の赤ちゃんは昼夜逆転の生活になりやすかったり、一人で機嫌よく過ごせる時間が出てきたりと、ママと赤ちゃんの生活にも変化が出てきます。

 

 

生活リズムをつくっていくために

 

このころの赤ちゃんは、生活リズムのコントロールはまだ出来ません。

3か月頃から視床下部が発達し始め、徐々にリズムが整ってきます。リズムを整いやすくするために、朝は日光を入れて、日中機嫌が良いときにはたくさん話しかけてあげてください。

夜に向けて徐々に照明を暗くしていき、寝室は暗く、静かな環境を整えてあげましょう。

昼間眠っている時にもあまり静かにしすぎるのではなく、生活音は普段通りで音にも慣れさせてあげると少しの音で起きることが減り、生活リズムが整いやすくなります。

 

 

泣くことも必要

 

2か月が過ぎると、赤ちゃんの泣き声も大きくなってきますよね。

泣くことは、静かに寝ているときの2倍エネルギーを使うと言われています。泣くことでお腹が空き、呼吸する力や腹筋もつきます。

いつも泣かせないようにと気を遣いすぎることはなく、赤ちゃんの運動だと思うことも必要です。

 

 

ひとりでの遊びも大事

 

眠っていなくても、機嫌よくひとりで過ごすこともできるようになります。

自分の手をジーっと見つめたり、こぶしをなめてみたり、メリーを眺めたり、音に反応したりと赤ちゃんは周りのものに興味津々です。

視力も少しずつ発達してきて、赤や青、黄色の原色や白黒等のはっきりした色を認識できるようになります。

耳や目からいろいろな情報を集め、集中しているのでひとりでご機嫌にしているときにはそっとしてあげることも必要です。

ママも家事や一息つく時間にしてみてください。

 

 

ママとのスキンシップ

 

赤ちゃんの発達を促すために、どのような遊びやスキンシップをしたらいいのだろうと思うママもいるかと思います。

例えば、音楽に合わせたふれあい遊びなどは情報サイトや動画サイト等で出ていることが多いですよね。

 

赤ちゃんがご機嫌よくしていると、「遊んであげないと!」と思ってしまうママは多いのではないでしょうか。

“遊び”はしなければならないものではありませんし、遊びに決まりもありません。

 

そうはいっても、赤ちゃんはママとのスキンシップが大好きです。

遊んでほしい時、構ってほしい時には声を出したり泣いたりしてママを呼びます。そのときは、赤ちゃんに触れ、たくさん声をかけてあげてください。

 

仰向けで足の裏を合わせ、足を口の方に近づけたり遠ざけたりする運動で首の後ろや背中を伸ばしてあげたり、頭のてっぺんから顔、胸、お腹、もも、足先を順に撫でてあげたり、つんつん、こちょこちょ…。目の前のお子さんが笑って喜ぶ遊びでママと赤ちゃんのスキンシップの時間を楽しんでください。

赤ちゃんの「あー」「うー」の声に反応してたくさん声をかけてあげるも良いですね。

聴力も発達してくる頃なので、沢山話しかけ、おもちゃや本の読み聞かせ、音のなるおもちゃで遊ぶのもとても良い刺激になります。

 

 


まとめ


新生児や生後1か月頃と比べると、身体も心もどんどん成長してきています。赤ちゃんの変化や成長に戸惑うこともあるかもしれません。

でもその分、喜んだり感動することもたくさんあると思います。ママ自身もママになってまだ2か月。上のお子さんがいらっしゃる方は、2人3人のお子さんのママになって2か月です。

 

不安や悩みも尽きないと思いますが、ご家族で赤ちゃんとの一瞬一瞬を楽しみながら過ごしていってください。

 

 

キーワード:生後2か月|赤ちゃん|成長|過ごし方


参考文献
・乳幼児身体発育 評価マニュアル 令和3年3月改訂
・子どもノート 2023年3月3日発行 合同会社ニワトコ
・タミー・タイム・ツール Children’s Healthcare of Atlanta


執筆者:高橋萌