産後のママの悩みはそれぞれありますが、中でも特に多いのが“授乳”についてです。
授乳のお悩みの中でも、「赤ちゃんが本当に母乳を飲めていて、足りているのかわからない」という声をよく耳にします。
母乳が足りていないことを心配して、ミルクを足したり母乳育児を諦めてしまったりする方も少なくありません。
今回は、ママたちが少しでも自信をもって母乳育児をしていけるように「母乳が足りているサイン」を紹介していきます。
目次
❚母乳が足りているサイン
❚まとめ
母乳が足りているサイン
赤ちゃんが母乳をどのくらい飲めているのか、飲んでいる量が実際に見えるわけではないので不安になってしまいますよね。
産院では、飲めている目安を知るために体重計で母乳量を計りながら授乳をする場合もあります。
しかし、退院後はそうはいきませんし、授乳の度に計るのはママも大変で、数字に振り回されることもあり気持ちも疲れてしまいます。
母乳が足りているサインは、数字だけではなく、赤ちゃん自身がママに教えてくれています。
母乳はとても消化が良く、ミルクに比べてお腹が空きやすいものです。1時間ほどでお腹が空いて欲しがることもあります。
産院によっては3時間おきの授乳と教わった方もいるかもしれませんが、あくまでも目安とし、赤ちゃんが欲しがるたびに飲ませてあげてください。
母乳は、赤ちゃんに吸われる刺激でさらに作られていきますので、1日に8~12回以上の頻繁な授乳が、母乳分泌をさらに促してくれます。
おしっこの回数と、濃さに注目してみてください。
母乳が足りていると、色の薄いおしっこがたっぷりと出ますが、母乳が足りていない時には、回数が減り、少量の濃いおしっこが出ます。
生後1か月までは特に、うんちの回数は多いことがあります。
赤ちゃんによって個人差はありますが、目安として1日で3~8回出ていることが飲めているサインです。
赤ちゃんの胃腸の消化機能が少しずつ上がっていくと、生後4~6週間以降は排便回数が減り、一回量が増えてきます。
母乳が足りているときには、赤ちゃんは手足をよく動かし、活気があります。
お腹がすくころやオムツが汚れたことを泣いて教えてくれることも活気がある証拠です。
赤ちゃんは、泣くことでエネルギーを使いますので、母乳が足りていないと、エネルギー不足で省エネモードとなり、あまり泣かず眠りがちな印象になります。
UNICEF/WHOの基準では、1日に18~30gの体重増加が目安とされています。
産院退院後の健診や新生児訪問、健診などでの体重測定を活用し、その子なりに増えているかどうか、成長曲線に照らし合わせて見てみましょう。
体重増加に合わせて、身長や頭囲等も大きくなっていきます。
特に生後2か月頃は、身体の成長が著しい時期です。健診時には一緒に測定してもらい、成長を見ていきましょう。
新生児の頃ぶかぶかに着ていた服がぴったりになる、きつくなるなどでも身体の成長を感じられますね。
その他にも、
- 授乳後の赤ちゃんの様子が満足そうに機嫌よくしている
- ゴクゴクと飲んでいる音が聞こえる
- 母乳が出始めると口の動きがゆっくりになる
- 授乳前は張っていた胸が柔らかく軽くなった
なども、よく飲めているときに見られるサインです。
まとめ
母乳が足りているサインには、以上のようなものがあります。
赤ちゃんが頻繁に泣くと、母乳が足りていないのかなと心配になると思いますが、“泣いている”ことがいつも“お腹が空いている、足りない”ではないことを覚えておいてください。
オムツが汚れて泣いていたり、抱っこされたくて甘えて泣いていたりと赤ちゃんには様々な泣きがあります。泣くことで、ママやパパにアピールしているのです。
過度な不安はストレスとなり母乳の出具合にも影響します。ママが自信をもって母乳育児をしていくために、母乳が足りているサインを目安に授乳をしてみてください。
それでも母乳が足りていないかもと感じる時には、一人で悩まず専門家に一度相談してみましょう。
本当に足りていないのか、もしくは、赤ちゃんは足りているけれどママが足りていないと感じてしまっているのか、母乳の出具合や、吸わせ方などの授乳状況、赤ちゃんの体重などを実際にみてもらいアドバイスをもらいましょう。
授乳でのお困りごとも、気軽に「ファミくる」でご相談ください。
キーワード:母乳|足りている|サイン|授乳|成長
参考文献
・母乳育児支援スタンダード 第2版 編集:NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会 医学書院
・授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)実践の手引き 監修:五十嵐 隆、発行:公益財団法人 母子衛生研究会
執筆者:高橋萌