出産予定日が近づいてくると、ドキドキソワソワしますよね。
出産前には、「前駆陣痛」や「おしるし」といわれるお産の兆候が表れることがあります。
兆候があったときの過ごし方や、産院に連絡するタイミングなどについて紹介します。
安心してお産のその日を迎えられるように、心構えをしておきましょう。
目次
お産の兆候とは?
お産が近づくと、身体が自然とお産に向けて準備を始めます。
その準備の段階で、痛みや出血として兆候が表れることがあります。
中には、お産の兆候を感じずに本陣痛や破水を経験する方もいますが、多くの妊婦さんが経験しているように思います。
前駆陣痛とは?
お産の兆候の一つとして「前駆陣痛」があります。
前駆陣痛とは、本格的な陣痛の前に起こる不規則なお腹の張りと、張りに伴う痛みをいいます。陣痛の予行練習のようなものです。
妊娠中、お腹の張りを感じる方は多いと思いますが、それまでは痛みのない張りだったものが、痛みの伴う張りへと変化していきます。
前駆陣痛があることで、子宮の出口は柔らかく、開きやすくなり、出産へ向けた準備が始まります。
前駆陣痛の感じ方や、痛みの部位、頻度、持続時間などには個人差があります。
夜になると痛みを感じ、気づいたら眠れて朝になっていたという方や、散歩や動いた後に感じやすい方もいらっしゃいます。数日続く方もいれば、数時間、数分という方もいます。
痛みの感じ方としては、「生理痛のような下腹部が重たい感じ」「腰が重たい感じ」「下痢のようなお腹の痛み」と表現する方が多いです。
おしるしとは?
おしるしは、子宮が収縮して赤ちゃんを包む卵膜と子宮の壁が擦れて出る少量の粘り気のある出血のことを言います。
茶色や赤っぽい出血で、おりものに少量混じる程度や、トイレットペーパーで拭くと付く、ドロッとした出血が出る場合もあります。
少量の出血のことが多いですが、量が多いと感じるときやサラサラした出血は、緊急の場合もあるので一度産院に連絡して診察をしてもらいましょう。
お産の兆候があったときの過ごし方
前駆陣痛やおしるしがあると、「もうすぐかも!」と楽しみな気持ちや不安な気持ちが入りまじりソワソワしてしまうかもしれません。
お産が始まると、赤ちゃんに会えるまで、初産婦さんは約12~15時間、経産婦さんは約5~7時間半程度の時間がかかります。
時間をかけて赤ちゃんが狭い骨盤をゆっくり通って生まれてくるので、陣痛が本格的に始まるまでの過ごし方は、その後の出産にも大きく影響してきます。
- リラックスで体力温存
出産を乗り切るために、いかに体力を温存しながら過ごせるかが重要になります。前駆陣痛やおしるしがあったら、お産が近いサインですので、体力を温存しながらリラックスして過ごしてください。破水していなければ、湯船につかって身体を温めても良いですし、好きな音楽を聴いて過ごしたり、ごはんを食べてゆったり過ごしたりするのも良いです。
- 痛みの間隔を計る
前駆陣痛から本陣痛へと移行していくことがあるので、リラックスして過ごしながら、痛みと痛みの間隔が何分くらいなのか厳密でなくても良いので計り始めてみてください。
- 呼吸の練習
前駆陣痛は、本陣痛の予行練習です。本番に備えて、呼吸の練習もしてみましょう。
呼吸法は、ママの身体と赤ちゃんに酸素を届けるだけでなく、身体の緊張を緩め、リラックス効果もあります。
痛みが来ているときは、子宮が収縮しているときです。
ママも痛みがあり辛いですが、赤ちゃんもストレスがかかります。
ママが呼吸を止めてしまうと、赤ちゃんにも酸素が届かなくなってしまいますので、痛みがあるときには、深呼吸をして赤ちゃんに酸素を届けてあげる必要があります。
痛くなってきたなと思ったら、口をすぼめて細く長く息を吐きます。遠くにあるロウソクの火を消すイメージで息を吐ききったら鼻からスッと吸います。
赤ちゃんに酸素を届けようと思うと、つい吸うことばかりに意識が行ってしまいますが、しっかりと吐ききらないと息が吸えなくなってしまいます。
息を吐くことに集中して呼吸をしてみましょう。陣痛には必ず波がありますので、痛みが遠のいてきたら普段の楽な呼吸に戻します。
- 産院までの移動方法の確認
お産の兆候があってから、実際の入院までは人それぞれです。日中かもしれませんし、夜かもしれません。入院の日や時間帯によって、産院まで送ってくれる家族が異なる場合やタクシーを利用する場合もあるかもしれません。上のお子さんを誰に預けるかなどの調整が必要な方もいるかもしれませんね。当日慌てなくて済むように再確認しておきましょう。
- 入院道具の確認
予定日が近い方は、入院道具はすでにまとめてあると思いますが、いつでも運び出せるように玄関の近くに置いておくなど最終の確認をしましょう。
まとめ
この記事を読んでいる方の中には、いつ陣痛が始まるか、出産になるかドキドキしながら過ごしている時期の方も多いと思います。
「お産が近いサイン」は、ママの身体がお産の準備ができたというご自身の身体からのサインであり、もうすぐ会えるよ!生まれるよ!という赤ちゃんからのサインでもあります。
出産のその日まで、赤ちゃんに会える楽しみや、一緒に過ごす明るい生活をたくさんイメージしながら、お腹の赤ちゃんとの残りの時間をゆったり過ごしてほしいと思います。
キーワード:お産|兆候|前駆陣痛|おしるし
〈参考文献〉
・病気がみえるvol.10 第4版
・周産期ケアマニュアル 第2版 立岡弓子
執筆者:高橋萌