小さなお子さんと過ごす中で、ちょっとした怪我に出くわすことは珍しくありません。
大きな怪我でなくても、血が出ていたり泣いたりすると、大人もドキッとしてしまいますよね。
今回は、知っておくと安心の基本的な応急処置について、わかりやすくお伝えします。
いざという時に落ち着いて対応できるようにしましょう!
目次
❚まとめ
日常で起こりやすいケガ。家庭でできる応急処置は?
いつ起こるか分からないケガ。
お家の中にいて、大人が見守っていたとしても、ケガをしてしまうことは少なくありません。
日常の中でよく起こりやすいケガごとに応急処置を紹介していきますね。
すり傷・切り傷
転んでしまったときにできやすいのが「すり傷」、紙のふちで指を切ってしまったときなどは「切り傷」です。
ケガの中でも多いと思いますし、大人でもやってしまいがちなものですよね。
▼応急処置
①流水で傷口を洗う
傷口に入った砂や汚れを、きれいな水でしっかり洗い流します。
②清潔なタオルやガーゼで水分を拭き取り止血する
傷口を洗い終えたら、水分を拭き取ります。
拭き取った際に、傷口に繊維が残ってしまうものの使用は避けましょう。
出血がある程度治まるまで、傷口をおさえて止血してください。
③絆創膏やガーゼで保護する
傷口を圧迫するような感じで絆創膏を貼ります。
すり傷であまりにも汚れてしまっている場合は、絆創膏を貼る前に消毒液できれいにしてから絆創膏を貼ります。
傷は、なるべく乾かさないようにすると早くきれいに治るといわれています。
保湿タイプの絆創膏を使用すると良いですね。
出血がおさまらない、痛みが引かない、ひどく腫れてきたなどの症状がある場合は、ご家庭で様子をみるだけでなく、病院に受診しましょう。
打撲・たんこぶ
転倒やどこかにぶつかった拍子に、あざができてしまったり、たんこぶができることもよくあります。
▼応急処置
①ぶつけた箇所を確認する
どこをどの程度ぶつけてしまったか確認しましょう。
②患部を冷やす
水に濡らしたタオルや保冷剤を包んだタオルで患部を冷やします。氷や保冷剤で直接患部を冷やすことは避けましょう。
打撲をした場合
■頭をぶつけた
・こぶができた程度であれば、患部を冷やして安静にする
・元気な場合でも、1〜2日は様子をみる
・意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐する場合は、救急車を呼ぶか、すぐに病院に受診
・顔色が悪く元気がないときは、小児科や脳外科に受診
■身体をぶつけた
・お腹を強くぶつけた時は、服をゆるめて病院に受診
・骨折や脱臼の可能性があれば、添え木などで固定をして病院に受診
やけど
熱いお茶やお風呂のお湯など、ご家庭でも起こりやすいケガのひとつかと思います。
▼応急処置
①すぐに患部を冷やす
最低でも20分は患部を冷やすようにしましょう。
シャワーや流水よりも、容器にためた冷たい水で冷やす方が患部への刺激がなく安心です。
服の上から熱湯がかかってしまったなどの場合は、服の上から冷やすようにし、無理に脱がすことはNGです。
②やけどの範囲を確認する
以下の症状を目安に次の対応を判断しましょう。
■全身または広範囲、顔面のやけどの場合:すぐに救急車を呼ぶ
■片足、片腕以上の広範囲にわたる場合:救急車を呼ぶか、すぐに病院に受診する
■やけどの範囲がその子の手のひら以上大きさだったり、水膨れがある場合:水膨れはつぶさず、病院に受診する
鼻血
幼児期は、大人に比べて鼻血が出やすいともいわれています。慌てずに、正しい対処を行いましょう。
▼応急処置
①顔が心臓よりも高い位置にくるようにして、下を向かせる
鼻血が喉に流れ込んでしまうと、咳や嘔吐の原因となってしまうことがあるため、注意が必要です。
椅子に座れる年齢であれば、座位(上半身を90度程度起こして座っている状態)の状態で処置ができると良いでしょう。
②鼻の中には何も入れず、小鼻全体を10~15分程度つまむ
ティッシュを詰めてしまうと、粘膜が傷ついてしまったり、鼻の奥に詰まって取れなくなることがあるのであまりお勧めしません。
正しい処置を行っても鼻血がとまらない場合は、早めに病院に受診しましょう。
一度鼻血がとまっても、血行が良くなると再び出てくることがありますので、しばらくは激しい運動を控えたり、その日は湯船に浸からないようにすると安心です。
指を挟んだ
対策をすれば防ぐことのできるケガになりますが、大人が見ていない間に起こってしまいやすいケガでもあります。
▼応急処置
①挟んでしまった患部を冷やす
なるべく動かさないようにして患部を冷やしてください。
②自分で曲げられるか確認する
腫れや痛みが弱い、自分で曲げられる、すぐに泣き止む場合は、様子をみてください。
明らかに骨折をしているということであれば、すぐに整形外科に受診しましょう。
まとめ
今回ご紹介した応急処置は軽度のケガのものがほとんどですが、日常の中には注意の必要なケガや事故がたくさんあります。
お子さんがケガをしてしまうと、泣いたり痛がったりしてママさんパパさんも動揺してしまうかと思いますが、大切なのは大人が落ち着いて対処することです。
痛みでパニックになっているお子さんに優しく声をかけながら、ケガの範囲や症状に応じた処置を行っていただければと思います。
キーワード:ケガ|応急処置|乳幼児
参考文献
1)日本小児科学会:子どもの予防可能な傷害と対策
https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=23
2)日本小児科学会:こどもの救急
https://kodomo-qq.jp/index.php
3)日本医師会:白クマ先生の子ども診療所
4)こどもまんなか家庭庁:事故防止ハンドブック