【助産師解説】母子手帳を上手に活用しよう!赤ちゃんとママの愛情手帳!

 

母子健康手帳(母子手帳)」皆さんは上手に使えていますか?

母子手帳は、ママと赤ちゃんの大事な記録です。記録だけではなく、妊娠や子育てに必要な情報が集約されています。

母子手帳の役割や、交付手続き、上手な活用方法を紹介しますので参考にしてみてください。

 


 

目次
母子手帳とは?なぜ必要?
母子手帳の交付は市区町村窓口へ

助産師がすすめる母子手帳の使い方!
母子手帳に関するQ&A
まとめ

 


母子手帳とは?なぜ必要?


母子手帳の存在は知っていても、中身は以外と知らない方も多いのではないでしょうか。妊婦さんであっても、内容については細かく見ていないという方も意外と多くいらっしゃいます。

 

一般的には「母子手帳」と呼びますが、正式には「母子健康手帳」といいます。母子手帳は、妊娠期から乳幼児期までの健康に関する重要な記録や情報が1つの手帳に集約されています。

具体的には以下のような内容です。

 

  • ママと赤ちゃんの健康状態や利用した行政サービスなどの記録
  • 妊婦健診や乳幼児健診の記録
  • 赤ちゃんの出生の記録
  • 両親学級や離乳食教室、産後ケア等、母子保健サービスの利用記録
  • 予防接種の記録
  • 小学校入学までの定期健康診査記録 など

 

  • 妊娠期から乳幼児期までに必要な知識や情報

雑誌やインターネットなど子育てに関する情報があふれる中、妊娠・出産や子育てについて信頼のできる情報がたくさん記載されています。

 

  • ママやパパの自由記載スペース

妊娠中や出生時、誕生日などの折々に、ママやパパがそのときの気持ちや赤ちゃんの成長などを記録できる欄が設けられており、妊娠中や子育ての記録として活用できるようになっています。

ママや赤ちゃんにとって重要なのはもちろん、妊娠、出産、子育てをサポートする医療関係者や、関わるすべての専門職が母子手帳を通して、ママや赤ちゃんの状態を知ることができ、最善のサポートをしていくうえでも、とても重要な役割を担っています。

 

また、外出先での急変や事故等、かかりつけ以外の医療機関受診の際に、自身の情報を周りの人や、救急隊、医療関係者に伝える大事なツールにもなります。

 

 


母子手帳の交付は市区町村窓口へ


母子手帳は、市区町村の役所か保健センター窓口に妊娠届を提出することで、受け取ることができます。

厳密に妊娠何週で母子手帳を受け取るという決まりはありませんが、「妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出をするようしなければならない(母子保健法第15条)」とされています。

厚生労働省は、妊娠11週までに母子手帳をもらいにいくことを推奨しています。

 

 

母子手帳受け取りの流れ

 

妊娠したかもと思い、自宅で妊娠検査薬に反応があっただけでは妊娠の確定はできません。母子手帳は、妊娠し出産予定日が確定した時点で受け取ることができます。

母子手帳を受け取るまでの流れは以下のようになります。

 

① 妊娠がわかり産科医療機関を受診
② 赤ちゃんの心拍が確認できると、出産予定日が確定
③ 医療機関より「妊娠届出書」を受け取る
④ 妊娠届出書に必要事項を記入し、住民票のある市区町村窓口へ提出(オンライン申請を行っている市区町村もあります)
⑤ 母子手帳受け取り

 

母子手帳受け取りの際には、市区町村の保健師さんとの面談があります。アンケート回答や、妊娠中に利用できる行政サービスや給付金の申請などについて詳しく教えてくれます。

手続きの所要時間は各自治体によって異なりますので、事前にホームページで確認するか、電話で問い合わせてみてください。

 

 

母子手帳受け取り時に必要な持ち物

 

必要なものは、お住まいの市区町村により多少異なりますので、自治体ホームページで事前に確認しておきましょう。

窓口で求められるものとして多いものは以下の3点です。

 

  • 妊娠届出書
  • 妊婦の写真付きの本人確認書類
  • 妊婦のマイナンバー確認書類

 

夫などが代理で届出をする場合は、上記のものに加え、代理人の本人確認書類や委任状等も必要になります。

 

 


助産師がすすめる母子手帳の使い方!


妊娠中のママの中には、住所や出産予定日なども白紙のままになってしまっている方もいらっしゃいます。

事故や思わぬトラブルの際に「ママと赤ちゃんを守る手帳」にもなりますので、忙しい日々の中でも少しの時間を、ご自身の身体や気持ちと赤ちゃんに向けて、母子手帳を開いてみてください。

 

母子手帳には、ママや赤ちゃんのことを自由に記入できるスペースがたくさん用意されています。

ママの身体や気持ちの変化、お腹にいる赤ちゃんへのメッセージや印象深いエピソードなどを、ぜひ書き残して活用していただきたいです。いつかそれを見返したとき、お腹の中にいた小さな命が、目の前にいることの尊さや、それまでわが子に向けてきた愛情、注いできた時間やママの頑張りも改めて感じられる時が来るはずです。

 

そして、それはいつかお子さんの手に渡る日が来ます。自分の生い立ちを探る学校の授業や、予防接種の記録が必要になったり・・・。

母子手帳を通じて、ママからの愛情をお子さんはたくさん受け取ることになるでしょう。

母子手帳は、母と子、親子の愛情手帳なのです。

 

 


母子手帳に関するQ&A


 

Q.双子は母子手帳をそれぞれもらえるの?
A.母子手帳は一人一冊と決まっています。それぞれの母子手帳を交付してもらいましょう。

 

Q.母子手帳は持ち歩いた方がいい?
A.妊婦さんはもちろん持ち歩いてください。1歳までは、検診や予防接種など母子手帳が必要な場面も多いので持ち歩くと良いと思います。

 

Q.母子手帳をなくしてしまった!再発行できますか?
A. 使用に支障をきたすほど破れたり、汚した、また、なくしてしまったときには、母子健康手帳の再交付をしてもらえます。お住まいの区役所や地域保健福祉センターの窓口で手続きをしましょう。

 

Q.妊娠中に引っ越しをしました。そのまま母子手帳は使える?
A.そのまま使用できます。ただし、妊婦健診受診票(補助券)などは、他の市町村のものが利用できないので、引っ越しをしたら早めにお住まいになる市区町村窓口に相談しましょう。

 

 


まとめ


母子手帳の役割や受け取り方、活用方法のポイントを紹介しました。

たくさんの情報が集約している母子手帳です。ぜひ、お時間のある時に母子手帳を開き、今のご自身の気持ちや赤ちゃんへの想いと向き合ってみてください。

 

 

キーワード:母子手帳|交付|受け取り


参考文献
母子健康手帳の交付・活用の手引き


執筆者:高橋萌