【保育士解説】成長の分だけ『イヤ!』がある?!イヤイヤ期を乗り越えよう!

 

1歳半ごろから始まるといわれているイヤイヤ期。

布団の上で天使のように眠っていた赤ちゃんが急に怪獣になったみたいだとおっしゃる方もいます。

 

「自分でやりたい」「自分で決めたい」という自我が芽生える反面、上手く言葉で表現できない、感情をコントロールできないというようなもどかしさを感じるようにもなり、ママさんパパさんにとっても対応が難しい時期ともなります。

 

ですが、イヤイヤ期は子どもの成長において大切な発達段階です。

今回は、保育士が実践するイヤイヤ期の対応や言葉がけ、ご家庭でもできるお子さんとの関わり方について紹介します。

 


 

目次

イヤイヤ期とは?

イヤイヤ対応はこれで乗り切る!

関わり方のポイント!

まとめ

 


イヤイヤ期とは?


第一次反抗期、自我が芽生え始める2~4歳ごろのお子さんが、何に対しても「イヤ」を繰り返すことが多くなる期間のことを「イヤイヤ期」といいます。

早いお子さんだと、1歳半ごろからという場合も。

 

イヤイヤ期のおとずれには、子どもの脳の発達が関係しています。

脳には前頭前野と呼ばれる「行動」や「感情」を制御する機能をもつ部分があります。

幼児期は、この部分の機能がまだ未熟なため、感情が爆発してしまいやすい状態なのです。

 

成長や発達にも個人差があるように、イヤイヤ期にも個人差があるなとお子さんと関わっている中で感じることがあります。

一日中イヤイヤが出る子もいれば、場面ごとで出る子などお子さんによって度合いが変わってきます。

「お姉ちゃんはイヤイヤがあまり激しくなかったのに、妹はすごくて大変」と兄弟、姉妹で違うということもあります。

 

 


イヤイヤ対応はこれで乗り切る!


お着替えをする、ご飯を食べる、お出かけから帰るなど、イヤイヤを発動する場面は生活の中でもたくさん出てきますよね。

時間がないから対応していられない、何を言っても聞かない子どもにイライラして心に余裕がないなど、イヤイヤ期の対応にお手上げだというママさんパパさんも少なくありません。

そんなときにやってみてほしい、心がけてみてほしいことをご紹介します。

 

①子どもに聞く、選ばせるようにする

なんでも自分でやりたい、思い通りにしたいという気持ちが強い時期なため、お子さんの意見を聞いてみる、選んでもらうということが効果的です。

例えば、「お家に帰ったら〇〇と〇〇どっちで遊ぶ?」と聞いたり「赤い服と青い服どっちにする?」と尋ねてみてください。

お子さんに提示する選択肢はママさんパパさんの選んだものにはなりますが、どちらか選んだということもお子さんは満足することもあります。

 

②時間に余裕をもって行動

イヤイヤ対応で予定していたことができなかった、次の予定があるから急がないといけないなど、時間に余裕がなくなってしまってイライラしてしまうこともあると思います。

「ママ、パパがやった方が早いから」となんでもやってしまうとお子さんの機嫌を損ねてしまうこともあります。

イヤイヤ期は、なんでも自分でやってみたい時期でもあるため、いつもより少し時間に余裕をもたせて行動することが大切です。

 

③約束をしてから行動する習慣をつくる

子どもも大人と同じで予定があり「次はあっちの遊具で遊ぼう」「ママとパパとこれをして遊びたい」など考えがあります。

そんな中、急に予定変更をされてしまうとお子さんも気持ちの整理がつかず、ママさんパパさんに対して抵抗や反発をしてしまいます。

このようなことにならないよう、ママさんパパさんが時間に余裕をもつようにして「もう少ししたらお家帰ろうね」「あと〇回したら終わりだよ」とお子さんと事前に約束をしてから行動するようにしてみてください。

 

④距離をとる

毎日のイヤイヤにママさんパパさんも疲れると思いますし、イライラもピークに達しますよね。

イヤイヤにすべて付き合う必要はありませんし、時にはお子さんが一人で気持ちを落ち着かせる時間も必要です。

何を言っても聞かない、激しく泣いてしまって落ち着かない時などは、お子さんの安全を確保しながら少し距離をとっても大丈夫です。

 

 


関わり方のポイント!


まずは、イヤイヤ期は一時的なもので成長するとともに落ち着いてくる、ということを頭に入れて日々関わることが大切です。

お子さんの「イヤ!」には必ず理由があります。

もう知らないと突き放したくなることもあるかもしれませんが、「なぜイヤなのか理由を聞く」「イヤな気持ちを一旦受け止める」「ママさんパパさんの考えや気持ちを伝える」を心がけて関わっていただきたいと思います。

お子さんのやってみたいという気持ちも尊重しながら、できたときはたくさん褒めてあげてくださいね。

気持ちが落ち着かずヒートアップしているときほど、お子さんの言動に危険が伴うことも多いです。

命に関わる危険な行動

誰かを傷つける言動

このようなことがあった場合は、しっかり「だめだよ」と伝えるようにしましょう。

一度で聞けないこともありますが、繰り返し伝えていくことでお子さんもしっかりと理解していきます。

 

 


まとめ


関わり方や対応に悩まれるママさんパパさんも多いイヤイヤ期ですが、お子さんが成長するための大切な時期でもあります。

お子さんが成長していく過程として楽しみながら関わっていただくことが、一番のポイントになってくるのではないでしょうか。

この時期にしかできない関わりを大切にお過ごしいただきたいなと思います。

 

 

キーワード:イヤイヤ期|第一次反抗期|成長|2歳


参考文献

1)東北大学総合学術博物館のすべて「脳のかたち 心のちず」脳のうごき

https://www.museum.tohoku.ac.jp/brain/exhibition/motion.htm

2025.01.30